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第37話

広瀬はICレコーダーをポケットに入れた。 「あれは、プロだぞ」と東城は言った。 広瀬は東城を見上げる。 「あの、元村融という男だ」 「プロ?」 「武器を利用した体術を身に着けて、暴力を仕事にしている男だ。訓練されているし、相当の場数を踏んでいる」 「元警察か自衛隊ですか?」 「わからない。暴力団の中にだってそういう訓練をする組織もいる。海外の組織かもしれない。なんにしても、あいつは、危険だ。人を傷つけることを何とも思ってない。どうするつもりだ?」 「どうするって」 「仲間になれって、誘われてただろう」 「そうですね」と広瀬は答えた。「まだわかりません。とにかく、岩下教授の件で圧力をかけてきた警察庁の人間が誰かを探ります。デバイスの完成と岩下教授が亡くなったこととは関係しているかもしれません。忍沼が言っていた当事者や黒幕とつながるかも」 そして、広瀬は東城に帰ろうと言った。

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