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第49話
先日、伯母の実家から、広瀬の両親の遺品を全てこの家に移動させたのだ。
中身を確認し、使えそうなものや手元に置いておきたいものは出し、それ以外のものは、内容を書いた紙を箱に貼って倉庫にしまった。
東城は、広瀬の旅行の写真の裏にあった『ちきゅうぎのびーのご』という言葉を覚えていて、地球儀に関係ありそうなものを探していた。
しかし、見つからなかった。
探す中で、古い山梨のガイドブックがでてきた。
家族旅行のために母親が買ったのだろう。ホテルやレストランにボールペンで丸がついている。子どもが喜びそうな展望台や遊覧船のページは端が折ってあった。
地図のページにも丁寧にいくつかの印がついている。子どもの手によるものもあった。広瀬が地図をみながら書いたのだろう。
そんな地図を見ていたら、山梨に行ってみたくなったのだ。
あの時の楽しかった思い出の場所がどうなっているのか見たかった。
富士山は変わらずきれいだろう。遊覧船はまだあるだろうか。
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