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第51話

部屋のベッドはツインだった。 風呂から出たら、東城は既に片方のベッドにうつぶせに両腕で自分を支えた姿勢で半身おこし、スマホをいじっていた。 広瀬は二つのベッドをみた。 そして、東城のベッドの脇に行くとバスローブを脱ぎ足元に落とし、裸になってためらいなく東城のベッドにすべりこんだ。 彼はスマホをぽいっとサイドテーブルに置くと、包み込むように抱きしめてきだ。「いい子だ」と言って額にキスしてくる。 広瀬は抱かれるに任せた。そして、身体をまさぐる彼に言った。「大人に『いい子』ってないと思います」 「そういうなよ」と東城は言った。「お前がかわいいことしてくるから」 身体中をさぐられるので、どきどきしてくる。腕の中で身体を動かし、東城の胸に耳をつけてみた。彼も同じだ。胸にそっと歯を立てたら、きゅっと腹筋がへこんだ。 「それ、結構くる」と彼が言って、耳をくるっとつままれて軽くねじられた。 大きな手が髪をまさぐりながら、首の後ろにキスをされた。そして、うつぶせにされて背中にもキスをされる。ただでさえ熱かった身体の熱がさらに上がってきた。 優しい手が気持ちいい。 「狭いベッドにお前と寝るの久々だな」と背中から彼の声が胸にしみてきた。「今思うとあれはあれでよかったよ。お前のアパート。ずっと、くっついていられたからな」 広瀬のアパートのベッドで、狭い、壁が薄いと文句ばかり言っていたのに、今頃そんなことを言うのだ。 うつぶせのまま、太ももで両足の間を割られた。広瀬は抵抗せず、腰をわずかに上げて彼に自分の身体をさらす。後ろから手が伸びてきて股の間をなでられた。その刺激に我慢できず 「んっ、ん」声があがってしまった。 手が性器の根元から先端にかけてこすりあげてくる。さらにゆるゆると袋を掌でゆらされた。 じわじわと先端から先走りが漏れでてしまうのが自分でもわかる。東城の手につられて腰を動かす。声を止めることができなくなってきた。 広瀬は、快楽に沈みそうな意識をかき集めて手を伸ばし、部屋の明かりを消した。視界が暗くなる。 その後は、東城の手に身を任せて、好きなように身体をうごめかしはしたなく声を上げ続けた。

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