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第78話

広瀬は、玄関のラグの上にうつぶせになり、腰だけを高くあげさせられた。するするとあっという間に服を脱がされ、自分だけが全裸だ。でも、そんなことにもうかまっていられない。 東城が腰を痛いほどに強くつかんで上にひきあげている。 彼が、ゆっくりとじわじわ、広瀬のなかにわけいってきていた。広瀬の中は確かな形をもとめている。入り込まれると悦んで蠢き、卑猥な音さえも立てている。 広瀬の中はまだ狭い。広瀬が早くとねだるままに、東城が硬い性器をいれてきてくれたのだ。だから、彼は時間をかけて入ってくる。広瀬の中の道が拓くように探しながら進んできているのだ。ねじ込まれる熱い塊。痛みと快感が後ろから背中の中心に駆け上ってくる。 広瀬は声をあげた。 一度入り込むと、東城は、広瀬がなんといっても、ゆっくりとしか動いてくれなくなった。 じりじり太い熱を差し入れてくる。そして、時々息をついてとまり、後ろに引く。 失うことが切なく、強引な力が欲しくて、「や、」と広瀬は声をだし、腰を動かして追った。 押して引いて、広瀬の好きなところをつきながら、彼も中の狭さと広瀬のあさましい欲望を楽しんでいるのだ。乱れれば乱れるほど、じらされる。 全部入り込むのには、まだまだ時間がかかりそうだ。 さらに腰をまわして、自分の思い通りに広瀬に嬌声をあげさせる。 キスの時からすっかり硬くなっていた広瀬の性器は、その痺れる快感にさらに巻き込まれていく。 もう、はちきれそうになりそりかえって、ぽたぽたと先走りがラグにおちていった。我慢できそうにない。 東城の性器が、中まで入りきった。それから、腰を大きく動かし、いいところを擦るように出し入れする。 広瀬が絞り出す声で、もっと、といえば、その通りに、中を何度もついてくれた。ズンズンとたくましい太い竿が広瀬の中で重く打ち付けられた。尻から頭まで振動する。全身がしびれる。身体を腕で支えようとしたが、突かれるたびに、何度も力をうしなってしまった。 東城の荒い息が背中にかかる。彼の身体は汗でしめっていた。 自分も肩で息をしてラグに顔をつけていると、手が伸びてきて、乳首をきゅっとひねられた。どこもかしこも刺激に敏感になっていた広瀬は、この強い指に悲鳴を上げた。 「ああ!」 乳首の先端をつままれてひっぱられる。声がとまらない。よだれがラグに染みていく。腰を動かして、快楽を逃がそうとするが、彼の性器がみっしりと入りこみ、快感のつぼにあたるだけだ。 気持ちがよすぎる。頭の中が沸騰して、自分が何をしているのかさえわからない。いきそうだ。 たまらなくなって手を伸ばして自分で性器をつかみしごこうとした。自分で触ってこすって、出してしまいたい。だが、東城が、触れようとした広瀬の手を、軽くおしやった。なのに、彼の手はそのまま性器に触れることがなく乳首に戻ってしまった。簡単にはいかせてくれないのだ。つらい。 こりこりと指と爪が乳首をつまみあげる。また、赤くなってしまうだろう。 腰を揺らし、どうしようもなくなって痴態を晒しながら、広瀬は、あえいだ。 このまま、後ろの熱だけが、長くどっしりと続くのだ。中を出し入れされるのが、こんなに気持ちいいなんて。 「んん」 喘ぎ声の合間に、東城になんどもねだった。もっと、激しく、強くついて、奥まで、感じさせてほしい。いかせてほしい。 「もう」と言った。「いかせて」 彼は、乳首から手を放し、腰を動かすピッチを上げた。中が灼けきれる。広瀬は達した。性器に直接刺激がない射精は長く続いた。そのまま肛道もうねっていく。 東城も、背後でかすれ声をあげて達した。

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