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第96話

身体を思い切りねじり、ネクタイを取り払う男の手を避けた。だが、身体を少しでも動かすと、押さえつけられた左の腕に激痛が走る。 男は容赦なくおおいかぶさり、広瀬が抵抗すると強く殴られた。 近くにいるとわかるが、男は痩せてはいるが、全身が固い筋肉だ。人の身体を動けなくする術を十分に知っている。 手がシャツの前を開き、胸をさぐられた。 「確かに、男だな」と言われた。「きれいな顔だから、女かとも思ったぜ。まあ、どっちでもいいが」 さらに、またがっていた腰をわずかに上げて、スラックスに手をかけられる。 広瀬は、反射的に足を動かし抵抗する。力は向こうの方がはるかに強い。ぐっと足を押さえつけられた。 足の筋の間に指を入れられ、全身に鋭い痛みが走る。思わず声が上がってしまった。 「そうやって抵抗されるほうが楽しみが増す」男は、下卑た笑いを浮かべている。 男の手が広瀬のスラックスの前立てを広げた。銃が、スラックスの中に入ってきて、下着の上から性器をなでられる。 「これを、お前の中にいれてやろうか」 セミオートマチックの金属で強く性器を押された。痛みと恐怖が襲う。 「怖いだろう。これから、たっぷり可愛がってやる。お前のその冷たいきれいな顔を壊してやるよ」 スラックスと下着を下にずらされた。尻が夜の冷たい外気にさらされる。男は、銃で、尻をなぞった。 「きれいな形だな」 ぐっと双丘を割られ、後孔に銃口がつきつけられる。ひくっと身体が震える。 「男を知っているのか?」と聞かれた。 そして、ぐりぐりと銃を押し付けられた。適当に押し付けているだけで、いきなり入るとは男も思っていないようだった。 「お前を犯したいと思ってる男は多いだろうな。お前が泣きわめいて哀願するさまをみたいと思っているんだ」 ふっと銃が尻からはなれた。また、頭にむけられる。 「跪け」と命じられた。「早くしろ」 広瀬は、命じられるままに姿勢を変えた。

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