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第97話

男は、広瀬のこめかみに銃をつきつけながら、自分のズボンの前を開けた。そして、広瀬の目の前に自分の性器をだしてきた。 「舐めろ」と言われる。「丁重に舐めて、しゃぶってみせろ。少しでも変なことしやがったら、頭をふっとばすからな」 男のそれはすでに立ち上がっていた。興奮していたのだということがやや意外だった。男の声はずっと広瀬を脅す低いトーンで、自分の欲望をむきだしにはしていなかったから。 「ほら。やれよ。やらないなら、頭を撃つ前に、その足を打ち抜くぞ。手足を全部撃たれてから舐めるか?」 本気の声だった。人間を傷つけることを楽しむことができるのだ。ガツっと音がする。軽くだが、銃で耳元を殴られたのだ。何度でもやるだろう。 命じられたままに口をあけた。 口の中はカラカラで、口に男の性器を含んでもなにも感触はなかった。いや、感じないように心が防御しているのだろう。口に入れて舌を動かすと、男が、腰を動かしてくる。喉の奥までつっこもうとしてくる。むせそうになった。 「目を開けてろ」と言われた。「自分が何をしているのか、ちゃんと見てろ」 思わず目を閉じていたのだ。広瀬は、まぶたをあげた。上を見ると男が嗜虐的な笑みを浮かべていた。目の前には口に含み切れない太い性器と黒々とした陰毛がある。 しばらくすると、嫌な味が口の中に広がってきた。まだ、押し込まれぐぐっと喉が鳴る。 「ほら、もっとちゃんとやれよ。しっかり濡らして立たせろ。これからお前のケツを悦ばせてやるんだからな」 銃は広瀬のこめかみから動かない。男は、広瀬の口腔を犯しながらも、冷静だ。もし、後孔に入れられたら、その時は隙になるだろうか。

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