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晴れの日に #2 side S

「あらっ、直君も入学式出席なの?嬉しい♪」 「うちの子、今年も冬葉君と一緒なの♪よろしくね!直君♪」 「直君、素敵!スーツよく似合ってるわよ♪」 僕達はまだ校門にいて、入学式の式場である体育館までは、もう少し距離がある。ここまでの道のり、直くんは方々で声を掛けられた。その声を文字に起こしたら、多分…音符が付いてそうなぐらい弾んでいる。直くんは笑顔で全員に丁寧な応対をする。とても律儀に。それに対し、僕は二言三言、言葉を交わし、会釈をした後、直くんに構わずどんどん先へと進む。 「おい!真!待てよ!」 嫌だね。誰が待つもんか。 「おい!真ってば!」 急に左腕を掴まれ、振り返る。  「さっきから呼んでるのに…聞こえなかったのか?」 「聞こえてるよ。でもね、ほらっ、前見てよ。葉祐達、もうとっくに式場に入ったからね!理くんとママだって、きっと待ちくたびれてるよ。」 「分かってるって。だけどさぁ、他のママさん達も蔑ろに出来ないだろ?幼稚園だけじゃなく、これから先も付き合い続くワケだし…」 「直くん、君はここへは理くんの撮影係で来てるんだからね。そこんとこ、くれぐれも忘れないようにね。理くんちはママ一人で、こういう時、大変なんだからさ。」 「はいはい、分かってます。」 「あらっ!直君♪」 言っているそばから、また声が掛る。 「あっ、ひかりちゃんママ、こんにちは。」 「直君も出席だったのね。あれ〜ネクタイ曲がっちゃってるわよ。直してあげる♪」 見覚えのあるその女性は、確か…幼稚園の時、冬葉の隣のクラスの子のお母さん。 隣のクラスの人まで、そんな親しげに話すの? ひかりちゃんママと呼ばれたその人は、直君の首元まで手を伸ばし、ネクタイを整えた。 「はい。OK。」 「あっ、すみません。ありがとうございます。」 直くんは笑顔で礼を述べた。 もぉ… 明るくて人懐こい性格、そのくしゃってなる笑顔…最高に可愛いんだからね。 その笑顔向けられたら、皆、勘違いするんだよ。昔からそうだったでしょ? 小中高、それから今年もバレンタインチョコ、いっぱいもらったでしょ? 本気で直くんのこと狙ってる人…いっぱい…いっぱいいるんだから… 今日は冬葉の入学式。 せっかくの晴れの日なのに、僕の気持ちは全然晴れない。 今日一日…先が思いやられるよ…

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