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Fuga da casa #3 side N
とにかく不思議で…
何かがおかしい…
今まで感じたことない違和感と…
その答えが見つからないことが…
何だか酷く気持ち悪い…
何だよ…これ?
横抱きにした冬真パパをソファーに下ろすと、俊介さんは冬真パパの前髪を整えた。キッチン側からは冬真パパの表情しか伺えない。それでもチラリと除き見ると、冬真パパはとても穏やかに微笑んでいた。二人はきっと見つめ合っている。
バツが悪くなり目を逸らすと、ソファーからキッチンへと移動した俊介さんが俺の隣に立った。
「あっ…あの…取り敢えず、お湯だけは沸かしたんですけど…」
「ああ、ありがとう。」
「ホットミルク…作りますか?冬真パパの。」
「そうだな……ここまで徒歩で来たんだったな?」
「はい。」
「だったら、はちみつたっぷりのミルクティーを淹れよう。きっと疲れているだろうから。まぁ、すぐに寝てしまうと思うがな。直生はコーヒーで良いか?」
「あー…俺もミルクティーで良いです。」
「らしくないな。遠慮するな。」
「いや…同じものじゃないと…変に勘繰って、寂しくさせちゃうかもしれないんで。今日は随分ご機嫌みたいだし…もったいないじゃないですか。パパには貴重だから…そういう日って。それに、あんな柔らかい表情のパパも久々で…まぁそれは…俺のせいかもなんだけど…」
「お前も苦労が絶えないな。」
クスリと笑う俊介さんも、この上なく柔らかい表情をしていた。
俊介さんの予想通り、ミルクティーを飲み干すこともなく、パパはすぐに眠りの森の住人となった。食べかけのクッキーを手にしたまま。
「クッキー食べながら寝ちゃうって…冬葉じゃあるまいし。」
「まぁ、そう言うな。良いじゃないか。クッキーを食べたいと思ってくれただけでも。」
「そうですけど…」
パパの手からクッキーを取り、そのまま口の中へ放り込んだ。俊介さんは再びパパの体を横に抱き上げた。
「この体勢から和室の布団で寝かせるのは流石にツラいな。仕方ない、俺のベッドで寝かせるか。悪いが直生、手伝ってくれ。」
「はい。」
眠る冬真パパを俊介さんは、この上なく大事なもの扱うように自身の腕に収め、自室のベッドまで運んだ。
そうか…
やっと分かったよ…
さっきからずっと感じている違和感の正体…
それは…
二人の間に流れている甘い空気。
まるで付き合っているかのような…
こんな二人…今まで見たことがない。
冬葉の入学式の少し前、パパは小さな発熱を何度も繰り返した。徐々に体力を消耗していくパパを静かな環境で療養させるべく、葉祐さんはパパを俊介さんに預けた。期間としては10日間あまり、その間、何かあったのかな…
おいおい…
おちおち家出してる場合じゃないじゃないか。
真…お前は…このこと…知っているのか?
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