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独占欲 #2 side Y
定休日の俺のルーティン。
子供達が全員出掛けた後、朝食の後かたづけ、それから洗濯機を回して、その間、掃除機を掛ける。冬真の調子が良い時は、その過程から洗濯が外れ、それが終わると、二人で早めのイレブンジズ。なんてことない、お茶を飲みながら取り留めのない会話の時間。それでも、この時間を俺は心底愛している。毎週来れば良いのにと思って…いや、祈っている。
少し冷ましたミルクティーを差し出すと、いつもの冬真なら礼を述べ、口へと運ぶ。だけど、今日は違う。すぐにミルクティーに口を付けず、何故かその表面を見つめていた。それから程なく、クスっと笑った。思い出し笑いか何か?それだけのこと。しかし、あまりの美しさに心臓が跳ねる。同時に俺の中で何かが蠢き始める。元々美人の冬真だか、最近ますますキレイになっている。思い返して見れば、冬真が変わったのは、未華子ちゃんが我が家を訪れた日ぐらいからだ。あの日は冬葉もいた。未華子ちゃんと冬真、二人に限って間違いはないだろう。だけど…俺の知らないところで、冬真が変わっていくこと…それは俺が一生懸命に蓋をし、隠し続けている黒いものを容易に引き出す。
真顔で冬真を見つめた。複雑な気持ちを押し隠すように。俺の気持ちなんて知る由もない冬真は、カップから視線を俺に変えた。
「そうだ…あのね、葉祐…」
くそーっ!何なんだよ!この美人具合は!
「何?」
「いや。」
「…穴が…あいちゃう…」
「えっ?」
「そんなに見つめられたら…穴があいちゃうよ…」
「ああ、そっか…いや、ごめん。」
「何か…言いたいことでも?」
「いや、良いんだ。気にするな。」
「でも…」
「ホント大したことじゃないし。」
「そう…」
冬真か寂しそうに小さく息を吐いた。
あーもう!こんな顔、させたいワケじゃない!どうしたら…どうしたら良いんだよ!そうだ!ともかく!ともかく話題を変えないと…
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