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第五章(6)

「あ……、はあ、はあ、……、んく……」  彩都の薄い胸が空気を取り入れようと忙しなく動く。そのさまを宣親は彩都に覆いかぶさるようにじっと見つめた。 「……彩都、抜くぞ」 「ん……、んんっ」  ズルリと彩都の体内を穿っていたバイブを取り出す。彩都の秘蕾は名残惜しそうに粘膜を擦りつけて、閉じていく瞬間に、こぷ、と愛液をこぼした。  ぐったりと脱力した彩都の体を、宣親は熱いタオルで拭いていく。この病室に連れてくるのは久しぶりだ。これまでは上手く抑制剤が効いてくれて、発情期の間も彩都はあの研究棟で周りの学生たちにも気づかれずに過ごせていたのだ。  ここに彩都がいる間、時間のある限り宣親は彩都の傍を離れない。看護師やほかの医師には必要最小限しか彩都に触れさせず、彩都の面倒は宣親が見ていた。  全裸の体を拭き終わり、手際よく彩都に青い病衣を着せる宣親は、その左胸の桜斑に目を止めた。 (やはり、以前よりも少し色が鮮やかになっているようだ……)  例えウイルスの活性が見込まれても、現在は桜斑病のワクチンを処方すれば十分に病を抑えられる。それに彩都はサバイバーだ。自身の体内にもウイルス抗体を持っている。今の抑制剤の効き目が悪いのは、このウイルスの活性によるものなのかも知れない。でも、それも彩都に合わせた抑制剤を調合すれば、また発情を抑えられるはず……。 「宣親……」  白い左胸に触れていた宣親を、彩都がうっすらと瞼を開けて見つめている。宣親は病衣を合わせると、彩都の顔を覗き込んだ。 「宣親、ごめんね。……今回はだめだった」  弱々しいが普段の彩都の口調だ。あの体を吹き荒れた熱い劣情は今は治まっているようだ。 「お前のせいじゃない。それよりも少しは落ち着いたか?」 「うん……。だから、今のうちにお願いできる……?」  彩都の台詞に宣親が苦渋の表情を見せた。でも、それはほんの一瞬で、宣親は彩都に頷くと、

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