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第七章(17)

 返ってくるであろう答えを前に彩都の体の震えが止まらない。しかしこれは稜弥が怖いからではない。これは、番う相手を目の前にした歓喜の震え。  彩都を見下ろす稜弥の顔が切なげに歪んだ。そして意を決したように、 「そうです、俺はベータじゃない。俺は――、アルファです。先生」  ゆっくりと稜弥の手が伸びてくる。自然とその手を迎えるように右手をあげた彩都は、自分の秘蕾の奥が潤んでいくのを感じていた。

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