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第八章(18)
「もうやめてっ!」
セシルが二人の間に割って入り、稜弥をかばうように背中に隠す。その時、彩都の搬送準備が整ったと伝えるスタッフの言葉に、宣親は下唇を噛んだあと、ひとつ息を吐き出して稜弥に言った。
「お前の申し開きはあとから聞く! 今は早く東京へ戻るぞ。奴らはとうとう痺れを切らしたようだ。川根さんと吉田さんが昨日から行方不明になっている」
宣親の報告に稜弥は地面についた手のひらをグッと握った。血の混じった唾を吐き出して唇を拭うと、桜吹雪の先を行く宣親の背を追いかけた。
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