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翌朝、目が覚めると、下半身に違和感を覚えた。まだまどろみが薄くかかった目で下半身を見遣ると、もう数時間前から起きていました! とでもいうような元気な息子が目に入った。いわゆる朝立ちだ。
あー……、そういえば最近抜いてなかったもんなぁ……。
思い返せば最後に抜いた、というか無理やり吐き出されたのはアーロンに靴で踏まれた時で、それ以来ご無沙汰していた。
もふもふのクロの体から離れるのは名残惜しいが、放置するわけにもいかないし、まさかここで抜くわけにもいかない。
仕方なく洞穴の外で抜いてこようかと、のっそりと立ち上がると、クロがぱちりと目を開けて顔を上げた。
じーっと俺を見つめるその目はどこに行くのだと問い掛けているのような気がした。
「えーっと、ちょっと小便してくるな」
人間ではないとはいえ勃っているものを見られるのは恥ずかしく、言いながら背を向けてサッと下半身を隠した。
しかし、クロは何か普段と違う様子を感じ取ったのか「わふっ、わふっ」と吠えて、俺の前に回り込んだ。
そして聡いクロは、下半身がいつもと違う状態になっているのにすぐに気付いたようで、じっとそこを凝視し出した。
「ちょ、ちょっと見るなよ。もー、クロのスケベ」
注がれる視線が恥ずかしくて、ふざけながら両手で下半身を隠した。
すると、
「わふっ!」
楽しげにひと吠えして、クロが俺に飛び掛かった。
まるで犬が飼い主にじゃれるような無邪気な行為だが、体が大きいため抱き留めることはできなかった。
「うわっ」
そのまま仰向けに倒れて背中を打つ。
「あててて……」
背中をさすりながら上半身を起こすと、クロが尻尾を大きく振りながら、俺の上に跨がった。
「わふっ、わふっ」
「こら、急に飛び掛かったら危ないだろ」
「わふっ」
俺の注意にクロは素直に返事をしたが退く気配はなく、それどころか俺の股間に顔を埋め、朝立ちしている俺のものをクンクンと嗅ぎ始めた。
「わっ、こら、やめろって! ばっちいぞ!」
慌てて鼻先を強く押して離れさせようとしたが、クロはそれよりも強い力でさらにグイッと鼻を俺の下半身に近付けた。
「……ッひ!」
過敏になったそこに、湿った鼻先が触れたり、執拗に嗅ぐクロの鼻息がかすめたりしてぞくぞくと腿の内側が震える。
「だ、だめだって……っ、あとでいっぱい遊んでやるから……ッあ!」
ついにはペロリと舐められてしまい、思わず甘い悲鳴を上げてしまった。
クロはまるで反応を窺うようにちらりと俺の方を見ると、さらに舌の動きを速めて舐め始めた。
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