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「あっ、ちょ、だ、だめだって、ふ、あぁ……ッ!」
人の舌とは違う水分の少ないベトベトした舌が俺の中心を撫で上げる度に、だめだと咎めるその声は次第に弱々しくなり、抗いの言葉は溢れる喘ぎに呑み込まれてしまった。
クロは遊びの延長でやっていることだろうに、その無邪気な行為に淫らな快感を見出している自分がひどく恥ずかしい。
脚で股間を隠したり、手荒な手段にはなるがクロを蹴り飛ばしたりと、これ以上無様な姿を晒さない方法はいくらでもある。
なのに気付けば沈黙のまま誘い招くかのように脚を開く自分がいる。
「っは、ああぁ……ッ」
中心ばかりを舐めていた舌が、窄まりの周辺を撫でた瞬間、腰にぞくぞくと甘い痺れが走った。
まるでそれを期待していたみたいに胸が震えた。
期待と一致した、いやそれを凌駕するほどの苛烈なまでの快感に高められていた中心が白濁を吐き出した。
白濁のどろりとした感触が腹の上をじっとりと這う。
するとクロは少しの躊躇いも見せず、その白濁が散らばった腹をちろちろと舌先で舐め始めた。
「ふっ、は、ン、だめ、だ、汚いって、っん、は、ぁう……っ」
欲望を吐き出したことで少しだけ理性を取り戻した頭でクロに注意するが、こそばゆさと快感の中間といったその絶妙な力加減に、もどかしさで喉を締め付けられ言葉が上手く紡げない。
喉を反ってしゃくり上げるように喘いでいると、快感ですっかりぼやけている意識に、微かだが慌ただしい足音がかすめた。
だれかが、きてる……?
ぼんやりと人の気配を察知しつつも、このだらしない喘ぎを止めてクロから離れることができなかった。
「――ッ、ソウシ!」
洞穴の出入り口から姿を現したのはアーロンとドゥーガルドだった。
走ってきたのか息が上がっていた二人だったが、洞穴の中心でクロに腹を舐められ喘いでいる俺の姿を見てピシリ、と固まった。
「もぉ~、二人とも走らないでよ~。このゲス糞野郎と二人っきりなんて勘弁だよぉ」
「ふふふ、チェルノったら恥ずかしがり屋さんなんだから」
遅れてやってきたチェルノとジェラルド。
普段なら、ジェラルドのポジティブ解釈にチェルノがすかさず猛毒レベルの毒舌を返すところだが、俺の姿を見た瞬間にアーロン達と同じく固まってしまった。
全裸で、しかも獣に腹を舐められて喘いでいるのだ。無理もない反応だ。
「――……えーと、僕らおじゃまだったかな?」
長い沈黙の後、人差し指を口元に当ててジェラルドが首を傾げた。
「ちっ、違う! 全然違う!」
絶対あらぬ誤解を与えていると慌ててクロを押し退けて起き上がろうとすると、
「グルルルル……ッ」
クロが俺をみんなから隠すように立ちはだかって、唸り声を上げた。
「ク、クロ! 大丈夫! こいつらは仲間だから」
威嚇するクロに言い聞かせるが、全く唸り声をおさめる気配がない。完全に臨戦態勢に入っている。
しかし、それはクロだけではなかったようだ。
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