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「ソウシのは小さくて可愛いな。私の子どもの頃と同じくらいだ」
目元を和らげ愛おしげに言うクロには悪意はないのかもしれないが、俺は恥ずかしくて堪らなかった。
「小さくても一応ついてるのに、全然精液が出てないな。ナカでイって潮を吹いてばかりだ」
「っ、あぁ……ッ」
ピン、と先端を軽く指先で弾かれ、俺は悲鳴と喘ぎが綯い交ぜになった声を漏らした。
屈辱的で恥ずかしいのに、気持ちよくてもっとしてほしいと思ってしまう自分がいて情けなさが倍増する。
「ソウシは女が好きだと言っていたな?」
問われて俺はコクコクと頷いた。
「女とまぐわったことは?」
少し間を置いて、黙ったまま首を横に振った。
クロは嬉しそうに「そうか、そうか」と頷いた。
「では、今後女とまぐわいたいか?」
この問いの答えには首を横に振った方がいいと分かっていたが、首輪の力で嘘を吐くことができず、正直に首を縦に振ってしまった。
「そうか、そうか」
さっきと同じ調子でクロが頷く。
しかしその目は笑みの形をかろうじて保ってはいたが、ひどく冷たいもので背筋が凍りそうだった。
しまった……! と後悔が胸をよぎると同時に、俺のモノを乱暴に引っ掴んだ。
「っ、ひぃ……ッ!」
「すまない、すまない。こんなに小さいと力加減が難しいな」
口では謝っているが、目元は冷たい笑みを貼り付けたままで、握り締めた拳にさらに力を込める。
漏れる声に苦悶の色が濃くなっても素知らぬ顔だ。
「正直驚いたぞ。あんなにもはしたなく雌のように潮を吹きながらまだ女を抱く気でいたとは。だがこんな小さくて子種を出せないもので女を喜ばせられるか?」
「っ、あぁぁ……ッ!」
ぎゅうぅぅ、と先端の穴に強く親指の爪を立てられ、俺は喉を反らして悲鳴を上げた。
すると次には親指の腹でまるで痛みを癒やすようにくるくると撫ではじめた。その痛みと優しさの差に頭がクラクラする。
「ソウシはもしかして女を抱いたかとがないから知らないのかもしれないが、女にはソウシを気持ちよくしてくれる一物はついていないぞ」
馬鹿にするように笑って言うと、クロは俺のモノから手を離した。そしてそのまま指を窄まりにぐちゅりと押し込んだ。
クロが放った精液がまだ残ったそこは、クロが指を動かすとぐちゅぐちゅと卑猥な音を漏らした。
「ひっ、ぅ、ッん、あっ、あぁ……ッ」
「ソウシの大好きなここも女は弄ってくれないし奥を突いてもくれない。でも私ならソウシが望むだけ気持ちよくしてあげられる」
甘い言葉と共に過敏な場所をぐちゃぐちゃにいじられ、吐く息が震える。
細かく震える太腿の内に漏れ出た精液が伝う。それさえも気持ちよく感じてしまうなんて、終わっている。男として、終わっている。
俺は堪らずボロボロと涙を零して泣き始めた。
しかしクロは驚くことなく、ゆったりと微笑んで首を傾げる。
「どうした? なぜ泣いてる?」
「だって……ッ、おれ、男なのに、ッ、男なのに……っ、ふ、っぐ、ぅう……ッ」
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