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△1.lovesick

 卒業まで残り一ヶ月を切った今現在の放課後。  日中とは打って変わってがらんとした人気のない3年F組の教室で、オレは一人虚しく日誌を書いている。  オレンジ色の夕陽が目に染みる。 「なんで今日に限って相方は休みかなあ。も、ほんと最悪」  日直の相方は風邪で休み。黒板の上に掛かっている時計を見れば時間は5時を過ぎている。  この分だと帰宅部の真木は家に帰っているだろう。 「ちぇっ、一緒に帰られると思ったのにな……」  真木は理数系が得意。だけどオレは勉強自体が大の苦手。  オレが恋心を寄せている真木とはクラスが違う上に接点だって何も無い。ただ唯一同じなのは、家の方向だけ。  だからオレは終礼が終わると一目散に真木のクラスに行って一緒に帰る毎日を送っていた。もちろん、桜庭のことを知るためっていう嘘の名目で、だけどな。

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