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△4.lovesick

 でも好きな人に触れられて悪い気はしない。むしろこの接触は嬉しい。だからそのまま、そっぽを向き続ける。 「ああ、うん。相方が風邪でダウンしちゃって」  ふわふわと頭を撫でてくれる手の感触がくすぐったい。 「そうか。大変だな」  どれくらい撫でられていただろう、真木の手がオレの頭から消えた。  寂しいなんて思っちゃいけない。真木にとって何気ないことなんだから。 「真木は? それ、真木の仕事じゃないよね?」  そっぽを向くのは終わり。頭から手が消えたことで悲しくなる気分を無視すると、オレは真木が手にしているクリップボードを指さして尋ねた。 「ああ、俺のクラスの委員長も風邪で休んじまってな。担任に暇なら委員長の仕事をしてくれと頼まれた」  見たところ、用紙は掃除のチェック票みたいだ。  委員長には当番制できちんと掃除ができているかを各学年で確認する仕事があるんだ。それが今日、真木のクラスの委員長だったっていうわけだ。  相変わらず真木は人が良い。困っている人からの頼み事を断れない。  まあ、そんな真木につけ込んだオレが言えた義理じゃないけどな。  ーーっていうか、真木の仕事を手伝えば二人きりになれるチャンスじゃん!  これを見逃さない手はないよな。

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