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△1.Graduation
真木とはそれっきり会えず仕舞いに終わった。
そして卒業式の今日。面倒臭い儀式も無事に終えた。
オレは今、人知れず裏庭に立ち、ソメイヨシノを見上げている。
大好きな桜を見ているのに、おかしいな。ちっとも心が弾まない。
はらはらと舞い散る薄花色の花びらはまるで零しても零しても絶え間なく流れる涙のように見える。オレの心みたいだ。
……大好きだった。
せめて卒業までは傍にいられると思っていたのに、結局は嫌われて終わった生まれて初めての恋。
こんなことになるのなら素直に告白すれば良かった。そうしたら、すんなり諦めもついたかもしれないのに。
……諦める。
ううん、諦められるハズなんてない。だってオレ、真木のことは遊びじゃない。本気だった。
「まき……」
真木を想えば涙が溢れてくる。
好きな人の名前を呼んだ時だった。
「やはりここだったか」
突然、真木の声がしたんだ。びっくりして振り返れば、そこにはやっぱりオレが大好きな人が立っていた。
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