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△2.Graduation

「真木、どうしてここに?」 「裏庭の桜を見ようと約束しただろう?」  そんな他愛のない約束を覚えてくれていたの?  避けるほど大嫌いな相手なのに?  それでも約束を守るなんて、真木はやっぱり優しい。  オレはそんな真木を怒らせたんだ。 「……オレ、真木が好きだ。だけど真木は違う。振られるってわかったから、せめて卒業まで一緒にいたくて。だから親友の桜庭を好きだって嘘をついたんだ。真木の、傍にいるために……」  もう自分の気持ちを誤魔化せない。  そう思ったから、オレは重たい口を開いた。 「ちょっと待て。小枝は桜庭が好きなんじゃなかったのか?」  真木が驚くのも無理はない。だってずっと嘘をついていたから。  オレが告白したのは、どうせ嫌われるのならこっぴどく振られればいいと思ったから。  そして最後の記念として、第二ボタンを貰ってさよならしよう。 「違う、オレが好きなのは真木だ。ごめん、なさい。諦めるから、せめて第二ボタンだけでも……ってなんで? なんでないの?」

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