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つながる想い_6

 そのこたえは「神野が気を許していたから」からだった。 「どういうことだ。アイツは誰にでもそうだろう」  あいつは誰とでも仲良くできる男だ。俺とだってコミュニケーション能力が高いから話せるだけだろう。  だが、御坂は違うと首を振るう。 「聖人の家の事は聞いた?」 「あぁ」 「周りにいるクラスメイトとは上辺だけの付き合いで、聖人は信じた者しか自分のテリトリーに入れない。だから俺も君を信じられるなって」 「いや、でも……」  神野と御坂は深く互いを信頼し合っている。別にそれは俺には関係ない事だからどうでもいい。  だからといって俺まで信用しようとしないでほしい。 「困る? でも、君はお弁当を作ってあげていたんだよね」 「アイツが勝手に食うから」 「本気で拒めばいいだけだよ。そうしたら近寄らない」  その通りだ。関わりあいたくないと思いながらも、美味しいと言って食べてくれるのが嬉しいから、本気で拒まないんだ。 「駄目だよ、そんな顔をされたら僕だってつけあがっちゃうかも」  そっと顎を掴まれると顔を上向きにされ、御坂の顔が近づいてくる。  キスをされるとそう思い、俺はガードをするように腕をクロスにし隠した。 「ほら、ちゃんと拒めるじゃない」 「え?」  顎から手が離れ、御坂が自分の唇をトントンと指さす。 「聖人にされたんでしょう?」  何故知っているんだと御坂を見れば、電話があったのだと教えてくれた。  まさか相談していたなんて、恥ずかしくて頬が熱くなった。 「信じられねぇ! 言っておくけど無理やりだからな」 「そうなんだ。すごく落ち込んでいたみたいだけど、無理やりキスしたんじゃ、聖人が悪い」  俺は葉月の味方だよと頭を撫でられて、その手を振り払おうとしたけれどやめた。慰めるように優しく撫でてくれたからだ。 「御坂、ありがとう」 「うんん。ねぇ、お弁当、食べないの?」  今日は母親のリクエストで炊き込みご飯にしたのだが、それを少し食べただけで箸が止まっていた。 「あぁ。おかず、食うか」 「ありがとう。ごはんも食べて良い?」 「食べかけだぞ。それでも良いなら」  葉月の残りだから大丈夫と笑い、お弁当の中身を全て平らた。

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