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つながる想い_7
「御馳走様」
と手を合わせて弁当のふたを閉じた。
「また食べたいな」
「学校に来れる時、連絡をくれれば作ってやるよ」
御坂は透のように、つい甘やかしたくなるタイプだな。
「本当?」
と小首を傾げる姿は、女子が見たら可愛いとキャーキャー言いそうだ。
「あぁ。その時は尾沢も誘え」
「うん」
その嬉しそうな表情に、こっちまで和みそうになった所に、
「俺は、駄目かな」
と、目の前に神野の姿がある。必死になって俺を探していたのだろうか、息を切らしていた。
「探したよ、葉月」
俺へ触れようと手を伸ばが、それを避けて御坂の方へと顔を向ける。
「……御坂、弁当箱」
「あ、うん」
空の弁当を受け取るとそれを包んで、教室の方へと歩き出した。
「葉月」
引きとめようと声を掛けてくるが、俺は振り返らずに、
「飯、少ししか食ってねぇンだよ」
とだけ言う。
「あ、売店……」
まさかそんな所に行くわけがない。俺が行ったらちょっとした騒ぎになる。
俺は大袈裟にため息をつき、
「御坂、俺とコイツ、早退すっからさ、上手く先生に誤魔化しといて」
「あ、うん。そういう事なら任せておいて」
頑張ってねと、その言葉は俺だけではなく神野に対しても言っているのだろう。手を振りながら送り出してくれた。
口を開かずに黙って歩く。
後を歩く神野はどんな顔をしていかなんてわからないが、酷く落ち込んでそうな気がする。
玄関のドアを開けても、その前で黙ったまま立っているので、
「おい、突っ立てねぇで、さっさと中へ入れよ」
と怒鳴りつける。
「おじゃまします」
遠慮がちに中へと入る神野に、座っていろとキッチンの椅子を指す。
冷蔵庫から材料を取り出して焼き飯と中華スープを作る。
具材は角煮の残りとねぎとレタスと卵。ごま油で香りづけをし、しょうゆを少々。
香ばしい匂いが食欲をそそる。
「良い匂いだね」
いつのまにか傍に神野がたっていて、
「お前、邪魔」
わざと冷たくあしらう。
「葉月、まだ怒ってる、よね?」
その言葉を無視し、チャーハンを皿に盛り、スープをカップにそそいだ。
「食え」
向い合せに自分の分を置いて椅子に座って「頂きます」と手を合わせて食べ始めた。
「……頂きます」
神野も同じように手を合わせてチャーハンを一口。沈んでいた表情が笑みにかわる。
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