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つながる想い_10
御坂から学校に来るという連絡を受け、お重にオカズと俵型に握ったおにぎりを詰める。
卵焼きは甘めが良いというリクエストだったので、それもいれておいた。
昼休みになるといつもは教室を出ていくのだが、今日は御坂の席へと移動し弁当を机の上へと置いた。
周りがざわめきだすがそれを無視して前の席へと腰を下ろす。
「約束したからな」
「うん」
そこに尾沢が加わり、神野が俺も混ぜてと傍へ来る。
クラスにいる奴等が俺達を見ている。そりゃそうだろうな。クラス委員長に人気者が二人。そして嫌われ者の俺が居るのだから。
「てめぇの分はねぇよ」
と神野を睨めば、お願いしますと手を合わせた。
「聖人は駄目~。ね、彰正」
御坂がわざとそう口にして、頂きますとおかずを一口。
確かにあの時、俺は神野にいいとは言っていない。
「でも、量が多いよね」
尾沢が微笑みながら俵型のおにぎりを紙皿へと置いた。
「俺が食べるから大丈夫」
と御坂が俺にウィンクする。
「あぁ、沢山食え」
俺もわざとその話に乗り、神野がそんなと言いながら肩を落とす。
「二人とも意地悪だなぁ」
尾沢もそう言いながら楽しそうだ。
「葉月さま、お願いします。お恵みを……」
両手を合わせてお願いと首を傾げる神野に、俺は目の前に紙の皿とおにぎりを置く。
「しょうがねぇ。余るのは嫌だから食わせてやる」
「ありがたや」
手を擦り合わせて拝むような恰好をする。
「頂きます」
誰が見ても三人で食べるには多い量だ。神野だって自分の分が含まれているのに気が付いているだろう。
「美味しい」
いつものように美味そうに食べてくれる、その表情は悪くない。
「当たり前だろ、俺が作ったんだから」
と軽く睨めば、御坂と尾沢が俺を優しげに見ていた。
あぁ、結局、丸め込まれたな。
でも、悪くないと思うのは、俺がこいつらの事を嫌いじゃないからだろう。
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