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つながる想い_11
あれから御坂は仕事が忙しいようで、弁当は俺と神野の分だけとなり、いつものように屋上で食べていた。
神野は忙しいのかまだ屋上へとは来ていない。
一人で弁当を食べるのは久しぶりだ。告白されてからというもの、やたらと傍に居たがり、隙あらば抱き寄せられる。
今日はそんなやりとりをしなくていい。せいせいすると思っていたが、心の奥底で寂しいと思ってしまった。
「何、考えてんだよ、俺……」
恥ずかしくなってご飯をかっ込む。
すると屋上の扉が開き、神野が来たのかと思い、恥ずかしくなってくる。
顔を見れなくて俯いたままで居れば、
「お前さ、調子に乗んなよ」
と神野ではない、誰かの声。
顔を上げれば、田中を先頭にいつも絡んでくる三人が俺の前に立つ。
面倒くさい。相手にしたくないと、無視して弁当を食い続けていれば、
「無視すんなよ」
その態度が気に入らなかったようで、田中の後ろにいた背の小さい奴がきれ、それでも無視をし続けていると、
「これ、神野に作って来たのかよ。友達になったと勘違いしちゃってるわけ?」
包まれたままの弁当を手にし、結び目を持つと俺の前へとぶら下げる。
「あぁ?」
箸をとめ相手を見上げる。
やっとこちらを見たと、弁当を手にした田中がニヤリと笑う。
そして包みを開き弁当のふたを開けると中身を床へとぶちまき、汚い上履きで踏みにじられた。
「汚いな、上履きが汚れちまっただろうが」
とそのまま背中を蹴とばされ、シャツに染みが出来る。
今日は神野の好物を入れてやった。いつも以上に喜んで食べる姿が思い浮かび、その瞬間、俺は相手の事を殴っていた。
「グハッ」
殴られてよろめく田中に、
「なっ」
「てめぇ」
仲間の二人がいっぺんに殴りかかってきてそれを避けつつ、一人の腹を拳で殴り、もう一人を足蹴りにした。
殴られた箇所を押さえ、それでもこちらへと向かってくる。
それからはもみ合いがはじまり、腹と頬に何発か食らってしまったが、相手は立つことも出来ずに悶え苦しんでいた。
「……食いモンを粗末にするんじゃねぇよ」
折角作ったのに、神野に食べて貰えなかったな。踏まれたおかずを拾い弁当箱の中へ戻すと教室へと向かった。
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