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4-まさかの[天国で地獄]1

R-18 BLゲームがリリースとなった。 早く出るとは聞いていたけど、想像以上の早さに驚いた。 そして俺は『サリュ』の声に骨抜きになっている。 俺の『オーリオ』もこれまでで一番良かったと誉めちぎられたけど、やっぱり『サリュ』がいいから『オーリオ』が素敵に感じられるんだと思う。 ファンタジーの世界を、SAYAの声が可愛さとエロスで覆っている。 何度も聞いて、何度も身体が反応した。 しかも、オーリオの録音の時にサリュをずっと本物の有家川でイメージしていたので、サリュは俺にとって『可愛くなってしまった有家川』でしかない。 エロスで世界を救う運命を背負わされたSAYA。 快感を覚え始めたサヤ……。 欲情に流され、溺れ、悶えるマサヤ……。 はあぁ、少年っぽく爽やかで、なのにエロい声だ。 すごく可愛いだろうと想像していたのに、軽くその上をいっていた。 有家川の声で『萌え』を知ってしまった俺にとっては、破壊力がありすぎた。 俺の常識や倫理観や理性なんか、あっさり吹き飛ばされそうになる。 『ん……ぁは』 と、堪えるように小さく混じる吐息が、演技にリアルさを加える。 だからといって、演技のない生の声とも違う。 演技がなければ世界観が崩れてしまっただろう。 『ぁあっ!』 と引きつる声も、その後の吐息も初々しくて、恥ずかしそうな雰囲気がにじむのがたまらない。 これは演技じゃなく、きっと本当に恥ずかしかったんだろう。 初心(うぶ)な吐息に背筋がゾクゾクとし、爽やかさを保った艶声で下半身にズクンと熱がこもる。 『そこっ…んっ。もっと…もっとして!!キモチぃぃ…!』 乳首への愛撫をねだる声に頭が痺れた。 ……実はこの前、体育の授業のため着替える有家川の裸を、ついガン見してしまった。 それ以降、着替えの時にあけすけな視線を向けないよう気をつけているが、ジャージから薄手の体操服になったために登場した、胸のツンとした尖りを見つけると、どうしてもチラチラと見そうになってしまう。 (おのれ)との戦いだ。 有家川の裸をチラ見するのは駄目だと、強く自分に言い聞かせている分、有家川で不埒(ふらち)な想像をしてしまうことに対しての自主規制は少し緩めた。 『有家川が可愛いのが悪い』んだからしょうがない。 白い体操服の上からあの尖りを口に含んだら、きっと恥ずかしそうに、 『あ…そんな…ダメだって……』 なんて言いつつも、拒むことも無く……。 よりはっきりと存在を示してきた乳首を軽く噛めば、 『ん…はぁ……』 と、期待に甘い吐息をもらす。 大きな目を細めて、恥ずかしそう頬を染める有家川の体操着は、口に含まれたせいで胸の先端部分だけが濡れ、内側に隠れていた濃い色が誘うように淡く浮き立ち………。 はぁ……。 はぁぁぁ………。 何考えてるんだ俺。 でも……。 やっぱり…………。 有家川が可愛いのが悪い。

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