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番外編:聖夜のプレゼント2

甘えるように何度もキスをした。 「んぁ……はぁ…まや……んんぁ……ん」 その間もオレの中を巧みに刺激する真矢の指は止まらなくて、キスしながらオレは喘いで……喘いで……。 夢中で求め、からめる真矢の舌がクリスマスケーキのように甘く感じてしまう。 「あ…んぁ…ヤバ……はぁ…もう…んぁっ……」 キャラ設定なんかすっかり忘れて真矢にしがみつく。キスと指だけでイってしまいそうだ。 「サヤちゃん、もしかしてイキそう?」 コクンと頷くと、ズルッと指を引き抜かれてしまった。 「えっ…ぁ……?」 「膝を抱えて」 いきなりグイッと膝を持ち上げられる。 「いや……」 足を抱えて自分から真矢に尻を晒すのが恥ずかしくてつい拒んでしまった。 その時……。 「ほら、早くしろよ」 いきなり低い声で命令され、びくりと身がすくんだ。 ……あ、演技……だよな。 わかってても心臓がバクバクする。 ほんのちょっと目が潤んだ。 両手で膝を抱えると、ニィ……っと真矢が笑った。 やっぱり真矢じゃないみたいだ……怖い。 「サヤちゃん、イヤらしい格好だね。ねえ、今どんな気分?」 「……ヤダ……はずかしい」 「サヤちゃんはさっきまでココをイジられてイキそうになってたんだよ。恥ずかしいね」 「……ヤダ。はずかしいの、ヤダ」 雰囲気もしゃべりかたも違う真矢が怖くて、カタコトになってしまう。 作り笑顔の真矢が顔を寄せて、クッとオレのアゴを掴んだ。 「いい子にして、ちゃんと言うこと聞こうね。じゃないと、この恥ずかしい姿をみんなに見られちゃうよ?」 ……みんななんていない。演技だ。 わかってるのに、怖い。 「ちゃんと言うこと聞ける?」 コクンと頷く。 「いい子だ」 ささっと頭をなでられた。 「……」 ほっとして小さくため息をつく。 「じゃ、サヤちゃん、さっき俺がしたみたいに自分の指をお尻に入れて?」 「え……」 真矢の前で自分の指を……入れる? 「や……」 「やじゃない。ほら、はやく」 優しくなだめるように催促される。 けど、ちょっと戸惑いがあった。 「やだ、はずかし……」 「ヤダじゃねぇよ。早くしろっつってんだろ」 真矢の静かで強い口調が怒鳴られるより恐ろしかった。 手がわかりやすく震える。 けど思い切ってぐっと指を突っ込んで、それでも少し指を動かせばすぐに快感を拾い出す身体が情けなくて、薄ら目が潤んだ。 「ほら、しっかり指動かして」 言われた通りグチュグチュと音を立ててかきまぜる。 「く……ふぅぅぅ………こんなの……やだ」 恥ずかしくて、怖くて、泣きそうな声になってしまう。 もしかするとオレの目は端から見てもわかるくらい潤んでしまってるかもしれない。 そのとき冷静な顔で見下ろしていた真矢が急にベッドに突っ伏した。 そしてオレに覆いかぶさると、ギュッと抱きしめてくる。 「っっ……あーーー。サヤちゃん、ちょっとごめん。一旦中断」 「……は?」 尻に指を突っ込んだままオレはフリーズだ。 「はぁああ……もう、サヤちゃん可哀想で可愛いっっっ!!!あああああ…可愛いっ!可愛いっ!」 オレの肩に額をグリグリすり付けてくる。 「え、ちょ……真矢?」 「ごめん、本当ごめん。でも、サヤちゃんが可愛過ぎでキャラキープできなくなった」 「キープって……」 「サヤちゃんが本当に小さい子みたいな表情するから……。なのに身体はこんなに大っきくってやらしくって可愛い声で喘いで……。もう本当に可愛過ぎだよ!!」 これは……いつもの真矢だ。 いや、むしろハイテンションな萌え真矢だ。 よかったぁぁぁっっっ。 ホッとして身体からダァっっと力が抜けた。 ……ついでに指もな。 演技だろうとは思ってたけど、だんだん本気で言ってるんじゃないかってスゲェ不安になってた。 はぁぁ……元の真矢に戻ってくれて良かった。 「ってか、本気で演技しすぎた。オレ超怖かったんだからな?」 「どこが……あんなにエロ可愛く俺を誘っておきながらよく言う」 「っ…はぁ…!? 怖すぎてもう少しで真矢のコト殴って逃げるとこだったぞ」 それに、いつオレが誘ったっていうんだ。 言われるまましてただけだよな? 真矢の感覚がイマイチわからない。 「いや、サヤちゃんが殴った程度じゃ逃げられないから」 ニコニコ笑顔の真矢に言われてちょっとカチンときた。 オレだって喧嘩が弱い方じゃない。 不意打ちで下からドンと真矢を突飛ばした。 ……つもりだったんだけど、あれ?? 片手は軽く押さえられて全く動かず、反対の手は突飛ばすはずが軽くいなされて空を切った。 「おお……??」 「だから無駄だって」 なんで軽く押さえられただけで手が動かないのか不思議でしょうがない。 ムカつくよりも頭の中が疑問符でいっぱいで、完全に毒気を抜かれてしまった。 キョトンとしてるオレの頬に真矢がキスを一つ落とす。 そして耳に口を寄せた。 「サヤちゃん……逃がしてあげないよ」 低く優しい声が甘く響き、身体がゾクリと震えた。 はぁ……こんな甘い真矢になら、ずっと腕の中に捕らえられてたい。 「真矢、もう、怖いのナシ。その……優しく……して」 たたどたどしい、甘えきった声がオレの口からこぼれた。 「……うん、わかった。じゃあ、優しいお兄ちゃん設定だね」 え?お兄ちゃん設定はイキなのか。 戸惑っている間に、真矢の少しゴツめの手がオレの身体をなで始めた。 優しい手つきに、オレの身体はいとも簡単に快感を呼び起こされていく。 「ん…んはぁ……」 甘いため息が漏れた。その口に、つぷっと指を差し込まれる。 ちゅ……と指を吸うと真矢がニコリと笑った。 ちゅぷ……と舌を絡ませて、またちゅっと吸う。 「はぁ……サヤちゃん可愛い」 目を細めた真矢のため息まじりの言葉に、オレは甘えたい気持ちが決壊、垂れ流しになってしまった。 「ん…ちゅ…ん……」 真矢の手に自分の両手を重ね、うっとりと指に舌をからめてしゃぶる。 「サヤちゃん赤ちゃんみたいだ」 「んー。ちが…ふ…んちゅ……んっちゅば……」 「そうだね、違うね。サヤちゃんは五年生だもんね?」 「うぶっっ……そ…それは……」 ちょっと忘れかけてたのに、妙な設定をしっかり思い出させてくれる……。 恥ずかしくて、真矢の指をガジガジと指を甘噛みしてしまった。 「五年生なら指より太いモノをお口に入れても大丈夫かな?」 え…それって……。 口から指を抜かれ、優しく頭を手で導かれる。 ……あ、やっぱり。 目の前には真矢の……。 コレするのは初めてじゃない。 けど、真矢から言い出すのは初めてかもしれない。 オレから『したい』とも言い出しにくいから、結局数回しかしことがなかったりする。 真矢にバレないよう必死で耐えてるけど、いまオレは興奮しすぎて頭がクラクラだ。 「サヤちゃん、どうすればいいかわかる?」 コクコクと頷いてそっと口を近づける。 口に含む直前に、はぁ…と小さく息を吐いた。 「……嫌なら、無理しなくていいから」 キャラを捨てた、素の真矢が小さく言った。 嫌なわけない。 オレは真矢を見上げて、小さくフルフルと顔を横に振った。 けど……。 「本当に無理しなくていいから」 興奮でオレの目が潤んでたせいだろう、真矢がニコリと微笑んで離れようとする。 「やじゃない。させて?…はむっ………んっん……」 半ば強引に真矢のモノをくわえ込んだ。 真矢はクッと身体を固めて耐えている。ちょっと痛かったのかもしれない。 「ん…はぁふ…むちゅ…んく…んく……」 真矢のモノが口の中で大きさと固さを増していく。 オレで真矢が気持ち良くなってくれてるんだ。嬉しい。 「んむ、んむ……んちゅぱ」 深くくわえて、浅くまで抜いて、先端に舌を絡ませて……。 「サヤちゃん、お口にこんなもの入れられて嫌じゃない?」 ちょっとキャラを作りながらも真矢がオレを気遣ってくれる。 「ん…ちゅ……ヤじゃなひ。はふ……うれしー」 「……可愛い…はぁ…こんな一生懸命…もう…あああ、かわいい……」 真矢の嬉しそうな声に完全に酔ってしまった。 とにかく夢中でしゃぶりつく。 けど……。 「ん…ちゅ…ぷ……?あ…なんで?」 真矢がイクまでしたいのに、あっさり口から抜かれてしまった。 「サヤちゃん、よく出来ました。ありがとう」 真矢は冷静でしっかりお兄ちゃんキャラをキープしてる。 うっ。結構頑張ったんだけどな。 しかも超興奮して夢中になっちゃってた。 でも、えーと、そう五年生だからフェラテクはまだつたないってことで……うん。 恥ずかしさを誤魔化すように、頭を撫でる真矢の手にスリスリとすりつく。 へへっと照れ笑いのオレに、真矢も微笑んでくれる。 「天使みたいに可愛い笑顔だ。さっきまでこの愛らしいお口いっぱいに俺のモノをしゃぶってたのに」 つ……と、オレの唇を指でなぞった。 「ん……お兄ちゃん、気持ちよかった?」 ショタ設定をいかし、ここぞとばかりに真矢に抱きついて甘えまくる。 「もちろん。美味しいお菓子でも舐めるみたいに、嬉しそうに一生懸命してくれるから……もう本当によかったよ」 オレの頭を優しく抱いたまま真面目に感想を言われ、恥ずかしいけど嬉しくて、ちょっと、いや、かなり理性が壊れてしまった。 真矢の反応なんて気にする余裕もなく、トロンとした顔でとにかくどこでもチュッチュとキスしまくる。 小学生どころか幼児レベルの甘えたがりになってしまってるかもしれない。 「次はサヤちゃんと俺が一緒に気持ちよくなれる方法を教えてあげる」 ああ、そうだ、真矢お兄ちゃんにエッチな事を教えられるって設定だった。 「お兄ちゃん、サヤに気持ちイイコト、いっぱい教えてぇ……」 邪魔なくらいスリついてキスして、甘えモードが止まらない。 「サヤちゃんは本当にエッチな子だね。他の子には絶対ナイショだよ?」 「んっ。お兄ちゃんとサヤだけのヒミツだね」 真矢にギューっと抱きしめられる。 「っっっはぁ……サヤちゃん、可愛いすぎ。手加減してくれないと、俺もちょっと勢いつきすぎる」 「……いいよ??サヤをお兄ちゃんの好きにして?お兄ちゃんにだったらどんなことされても嬉しいもん」 舌ったらずな自分の声に、さらに脳が溶けていく。 「……サヤちゃんのココはもう充分準備できてるね」 「んっ。お兄ちゃん、サヤにみんなにナイショの気持ちいいコト教えて」 つぷ……。窄まりを分け入ってくる感触にゾクリと背が震えた。 押し込まれる熱に、カァ……とソコも熱くなっていく。 「んっ、お兄ちゃんの……んっんぁ……はいってる」 「はぁ………サヤちゃんの中……すごく気持ちいいよ」 真矢のため息混じりの声に、耳を犯される。 「あぁっ……!あっ!んんぁ!」 もうしっかり高められてるから、挿入だけでイキそうだ。 「サヤちゃん、そんなにしがみつかれたら動けない」 「や、待って、動いたら、ダメ!イク!」 「え……?」 「ちょっ……待ってぁぁっぁあん!」 自分のヒクつきだけでヤバイ。 「俺の好きにしていいんじゃなかったの?メチャクチャになっちゃえよ」 そう言いながら、真矢がオレのモノの付け根をつかんで軽く引いた。 「んぁ……っは……?」 ちょっと射精感が引いた? よくわからないけど、少しだけ余裕ができた。 けどおかしくなりそうなくらい気持ちいいコトには変わりない。 真矢がオレの足を開いて腰を動かす。 ズリュッっとたまらない快感が走った。 「んん……あっあぁっ……はぁっんっんぁっ!」 真矢の動き全てにビクビクと身体が反応する。 「真矢!ヤバイっ!あぁっヤバイっ……んぁぁっ……ぁあん!」 「サヤちゃん『お兄ちゃん』でしょ?」 「ぁっぁあん!おにぃちゃんっんぁっ!……気持ちイイっ。なんで?なんで?」 いつもより、なんかすごく気持ちよくって幸せで、オレの目には真矢しか映らなくって、オレの全部が真矢になってる。 「なんでだろうね。サヤちゃんはどうしてこんなイヤらしい身体になっちゃったのかな?」 額に汗を浮かべてうっとりとした表情だけど、やっぱ真矢はオレよりずっと余裕だ。 「んあぁっ!違うもん……サヤじゃない。おにぃちゃんが……エッチなこと……んっぁっぁっああ!ダメっ!」 「何がダメなの?」 何って、ホントにいつもと感触が違って、中をズズッとこすられる感覚が、馴染むっていうか、とにかく気持ち良くて……。 「んっイクっ!中……あっ、ヤバイ……イクっ。真矢…おにぃちゃん……!イクっ。」 ギュッと抱きつくと、さらに追い立てるように中をこすり上げられる。 「中でなら何度でもイけばいい。ココでいいの?」 「ぁうん…!ソレいいっ…ンァ…!っっっ」 頭が真っ白で何も考えられなくなった。ジュンと熱が集まり弾ける。 「っっ……!」 イ……イッた……。 けど。 「んんぁぁ……ぁぁ……ぁああ、まや……おにぃひゃん」 イッてもさらに真矢に与えられる快感に身を震わせ、アタマが完全に飛んでしまった。 ◇ 「ああん…イイっ!イイぁ…ぁはぁ」 夢中で喘ぎまくってたら、いつの間にかうつ伏せで腰を上げ、バックで突かれていた。 「あっ…んんんんん…はぁっぁはぁはぁっはぁっ!イクっ…ぁあっ」 その前にも体位を変えられたような気もする。 出そうになると止められて、その後必ず中イキさせられて……。今、何をされてるのかとか、もうよくわからない。 とにかく真矢に触れているところ全てが甘く疼いて、その快感が全て真矢と結びついているところに集まってくる。 「またお尻でイッちゃった?」 「んー。イッた、けどまだ、くるっ……。ぁアっ」 「サヤちゃん、今日はスゴイね」 いやいや、スゴイのは真矢だろ。 「なんで?どーしてオレのコト……んぁっん…こんなイカせられる?」 「……いや、どうしてと聞かれても。意図的にサヤちゃんをイかせることなんかできないから」 「絶対なんかしてる」 「まあ、普通にシてるけど」 真矢が困り顔を見せて背中にキスをしてくる。 「ぁっぁっああ!」 そのキスでまたメロメロになった。 「や……もっーー!オレばかり気持ち良くなってるっっ……!」 「ふふっ。サヤちゃん、なんで怒ってるの?そんなわけないだろ?俺もサヤちゃんにこんなに夢中なのに」 「怒ってないっっ」 「サヤちゃん、十一歳だからね。反抗期真っ盛りだ」 「う……」 「なのに、身体はこんなに素直だ」 「んぁン!」 クンと突かれると、もっと欲しくて勝手に身体が動く。 ちょっとした動きに過剰に反応してみっともなく腰を揺らし、口から喘ぎが漏れっぱなしだ。

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