8 / 78
7-ふむふむ。[結局ティッシュも使ったな]
喘ぎの勉強のため、フー太におすすめの『ホントに喘いでるAV 』を持ってこさせた。
父ちゃんのだから早めに返せといいつつ貸してくれた。
バレると生魚の頭をぶつけられるかもしれないらしい。
フー太の父ちゃんは魚屋だ。
オレのために、そんな危ない橋を渡って3本も持ってくるなんて本当に友情に厚いヤツだと見直した。
部屋の電気を暗くし、ティッシュもスタンバイ。
AVを観る時の日本男子の伝統的作法だ。多分。
ストーリー部分はどうでもいいので飛ばす。
オフィスで上司と思われる男に言いくるめられて服を脱いでってるみたいだ。
そんでエロ突入。
眉根をしかめてあんまり気持ちよさそうじゃない。けど、だんだんノッてきた。
うーん?本気かどうかよくわからない。
だいたいのところを観て、次のAVに入れ替えた。
こんどは病院でナースが患者と医者にヤられる話だった。
んー、喘ぎがリアルっちゃぁリアルだけど。
いや、リアルっつうか……変な声だなこの女。
リアルすぎて夢が壊れたんじゃゲームボイスとしてはダメだよな。
まあ、声ばっか注目しなきゃAVとしてはエロくてよかった。
次は女子高生風の女が訪ねていった友だちん家でヤられるAV。
まぁまぁピュアな感じだ。
喘ぎ声も控えめでかわいい。
そして貧乳。いや、微乳?
さっきからずーっと、後ろから手をまわされて乳首をいじられてる。
スカートと靴下ははいたままってのがこだわりか?
それにしても気持ちよさそうだな。
乳首……サリュもいじられるの好きなんだよな。
……。
ティッシュを用意して観たけど、声に意識を集中したせいか抜く気になれなかった。
股間はそれなりに反応してるけど、あんまりさわりたいと思わない。
また、ベッドに寝転んで天井を見つめる。
最後のあのAVみたいに小さな喘ぎ声でも大丈夫なんだよな……。
つか……むしろ。
『赤く熟れた果実がもっと…って誘ってるみたいだ。ふふ…かわいい反応だ。そんなに…ココが好きかい?』
散々聞いたセリフを思い出す。
「ん……」
無意識にさっきのAVの乳首を執拗に責める指の動きを再現していた。
実は映像を観ている時からすでに乳首は固く反応していたんだ。
「まだ……ちょっとだけだけど。気持ちいいかも」
目をつぶって乳首に走る痺れる感覚を追う。
手で大きく胸をなで回しながら乳首をこね回すと、いつの間にか腰が勝手にうねっていた。
「ひはっ!」
急に訪れた強い快感に驚く。
けど、それを逃さないよう、さらに激しく指を動かす。
「んんん…はぁ…気持ちよくなってきた…。でも…んもう。ムズムズする。『オーリオ……オーリオここばっかりじゃヤダぁ……』」
溜まるばかりで解放されない快感がもどかしい。
我慢できずに股間に手を伸ばす。
すでにヌルヌルで早く触ってと言わんばかりに力強く主張している。
はぁ……いいっ。やっぱこっちだ。
あ、声だすんだった。
「ん……んぁ」
自分のモノを強くこする。
「うくっ…ん」
そんな可愛くない声オーリオに聞かせるつもりか?
「うう…『はぁっ……オーリオッッ』」
ちがう。
「んっんんっっっはぁっっ」
キモチイイ。
なんか、いつもと違う。
声出してるせいで雰囲気っていうか、そんなのに後押しされてキモチよくなってしまってる。
頭が痺れるみたいな変な感じだ。
「はぁっっんんっっ」
こらえるようなちっちゃい声の方がかわいらしく聞こえる気がするな。
セリフの練習の時に使っていたスマホのボイスメモを起動した。
そしてそのまま股間と胸を同時にいじる。
さらに意識して声を出してみた。
「んくっ……」
乳首のへの刺激に身体をくねらせる。
股間への直接的な刺激と、胸へのもどかしいような刺激でたまらない気持ちになった。
……女が身体をよじってよがるあの感覚が、ちょっと分かったかもしれない。
サリュもオーリオにこんな風に女みたいにされて喘ぐんだ。
はぁ……。オーリオ…もっと気持ち良くして……。
うう…すごい……イイ!
「あっっあう……」
身体がおかしくなったみたいだ。今までこんな風に快感にもだえたことなんかない。
いつもとは全く違う感覚……。オーリオこんなっ!こんなっ…ぁ……!
「あふ…ん。イイ…。んんっ…あっっ、もうちょっと。んん………」
もうちょっとでイキそうだ。
「はぁっはぁっっ!」
荒い息を繰り返して、股間への刺激を強める。
夢中で幹をこすり上げ快感をむさぼった。
キモチイイ!
こんなの初めてだ。
もう……イクっ!
顔をしかめて快感に耐える。
「んくっ…はぁっはぁっっ…あう…んんん………んくっ」
……イった。
イったよ……。
なんか、変な感じだ。
一方に冷静に観察する自分がいて、一方でいつもよりずっと、もう滅茶苦茶感じまくってた。
はっと気づいてボイスメモの録音を止める。
それから事後処理。
………。
参考にする為にボイスメモしたんだし。
聞かないわけにはいかない。
いや、明日でもいいかもしれない。
……って、この声を一日入れっぱなしにしとくのか?
そりゃだめだ。
意を決して再生する。
『がさごそっ』という音の後しばらく無音が続いて
『あっっあう……』
喘ぎ声が聞こえてくる。
おもわず一時停止 をしてしまった。
「うううううう…………」
恥ずかしい。
まあ、当然だ。
恥ずかしい事をしている。
でも頑張れオレ。
せっかく録ったんだ。
もう、こんなことは二度としたくねぇだろ?
だったら聞け。
再生ボタンを押す。
さっきの喘ぎ声以外はほとんど、『ん』とか『はぁ』だ。
頭真っ白になるくらい気持ちよかったけど、声を出しなれてないから喘ぎ声が少なすぎる。
そして
『んくっ…はぁっはぁっっ…あう…んんん………んくっ』
イった。
………。
うーん。
全体的に、男らしい気がする。
ちょっとかすれた感じは色っぽいかもしれねぇけど。
もうちょっと少年っぽい可愛い感じが欲しいな。
『あう』はダメだ。男らしい。
『んっっ』という声のトーンのままで『あぁっ』にすれば……。
さっきまであんなに恥ずかしがってたのに、恥ずかしさのピークを過ぎたら冷静に分析してしまっていた。
そして『こんなことは二度としたくない』と思っていたはずなのに、それからオナニーしながら喘ぎ声を録音するのがオレの日課になってしまった。
ともだちにシェアしよう!