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8-あふあふ。[クニクニくらいでやめとけ]

AV(アダルトビデオ)の「ガチの喘ぎ」を参考にして「演技の喘ぎ」を作るという練習(?)の甲斐あって、サリュの声はそこそこの仕上がりとなった。 まあ、初喘ぎで向上の余地ばかりだが、合格の最低ラインには到達できたと思う。 そのあとボイスドラマとかいうのに誘われて、微エロなBLをシリーズで三本くらいやった。 ドラマの方はほんのちょっとしか喘いでないけど、でも喘ぎのシーンはすごくほめられた。 『努力』が認められるっていうのはすげぇ嬉しい。 たとえ、実際やってる事が、自分の部屋でマイクを前にシナリオ見ながら一人で喘いでるという、よくわからないことだったとしても。 スタジオに集まって収録……なんてのは断ってるが、役の大小やエロの有無も気にせず頼まれるままにやっていくと、そこそこの本数になっていた。 小さな役でもお気に入りはあって、あるサークルさんのドラマ作品では登場人物Cをずっとやらせてもらっている。 主役は代わっても、脇役は複数の作品でキャスト固定。 オレは村人C、男子高校生C、魔物Cとかをやっている。 もちろんAとBも固定だ。 セリフは二言三言だけど、気付く人は気付く。そういう『遊び』に参加させてもらうのも楽しい。 相変わらず出来上がりを聴いても、ゲームもドラマも自分がやっているようには思えなかった。 けどそっちの方がいい。 いちいち『これオレだ!』なんてことが気になってたら多分続けられなかったと思う。 音質はそこそこいい方なんじゃないかって気がする。 まあ、それも亡き父ちゃんのおかげだ。 時々知り合いに頼まれて短いイメージ曲を作ったりして、それがよくローカルCMとかいろんなとこで使われてたし、多分、それなりの機材なんだろう。 生演奏の録音をするために、よくわかんねぇけど、部屋の壁にもこだわってたからな。 母ちゃんの今の彼氏も趣味で音楽をやってるっぽい。 おっさんバンドだけどイベント出演を頼まれたりするみたいだ。 父ちゃんと似た趣味。 けど、そのせいで余計オレに紹介しづらいのかもしれねぇなと思う。 気にしないから紹介すりゃいいのに……なんて思っても、オレもそんな大人じゃないから、実際会ったらどんな態度を取るかはわかんねぇ。 それに大人には大人の事情があるんだろう。 不倫とかじゃねぇなら、オレが口出しする事じゃない。 部屋の防音がいいからと言って、完全に遮断されるわけじゃない。 なんか『デカイ声を出してるな』とかは伝わる。 しかもエロい気配まで伝わるらしくて、一回キッチンのテーブルの上の母ちゃんメモに 『ちゃんと避妊はする事』 と、書いてあった。 オンナを連れ込んでると勘違いしたらしい。 オレからの連絡用のボイスレコーダーに『りょーかい』と吹き込んだので、オレの気づかないうちに帰ってきてアンアン声を耳にしてしまったとしてもオンナを連れ込んだと思ってくれるだろう。 まぁ、極力聴かれたくはないけどな。 初め恥ずかしかった自分のガチな方の喘ぎ声も、録音してしまうとやっぱり自分の声のような気がしない。それに、なれたっていうのもあるのかもしれない。 最初は確認したらすぐ消していたけど、だんだん『出来のいいの』は参考のために取っておくようになった。 前向きなオレは高みを目指す。 アメーディオ様やオーリオがバリ勃ちで腰が止まらなくなるような「ああん……!」を発するのがオレの目標だ。 もちろんアメーディオ様やオーリオはどっかアチラの世界の人なので、実際バリ勃ちになることはない。 つまり、オレは到達不能極を目指しているのかもしれない。 まあ、目指すのは自由だ。 男のゲームキャラでオナって録音してるだけだし……。 ……イタイなオレ。 けど、この喘ぎ声を聞いてオレだと気づくヤツはいないと思う。 いっそ誰かに聴かせたいくらいだ。 フー太とかかな。 AV(参考資料)貸してくれたし。 ……いやいや、気づかなかったとしても無理だ。 だいぶ感覚が麻痺してしてしまってた。 喘ぎ声を録音してるっていうこと自体がイタ過ぎる一撃必殺の致死行為のはずだ。 ああ……。 もうそろそろ思い切って後ろに手を出そうかどうしようかと迷ってるオレは、だいぶ感覚が狂ってる。 入口をツンツン、クニクニするくらいで留めとくべきだ。 そう……。 ん……。まだそんなに気持ちいいって感覚にはならない。 けど、気持ちよくなりそうだから……やめといた方がいい。 なでるくらいだ。 この……くすぐったいくらいで我慢しとかないと。 乳首みたいに『体育の授業中に寒さでとがってしまった先端に体操服がすれるのが気になって困る』なんてのと同類の弊害が出るかもしれない。 「はぁ……」 でも…入れたら、どんなカンジなんだろう。 ……アイツらはゲームキャラだから気軽に出し入れできるけど、オレはそんな簡単には……。 簡単には入れられないから今のうちに……。 いや、入れる予定なんかないんだから準備は必要ないだろ。 「ふぅ……」 人差し指の先くらいならなんてことない。 別に、気持ち良くもない。 ちょっともどかしいけど。 ……続けたらオレもここで気持ち良くなれるのかな。 ローションとか。 いや、いや、何その気になってる。 買わないぞ。 けど、ヌメリ……。 オレの我慢汁で……。 「あ…やっぱり…こっちのがイイかも」 すべりがいい方がやっぱ断然イイカンジだ。 早くここで感じたい……。 あいつら、すげぇ幸せそうなんだもん……。 「んっっはぁっんん!」 乳首と一緒にいじると、乳首の快感が伝播して、後ろで快感を感じてるような気分になることがある。 まあ、気分だけだけど。 「あうう…ん。ああん…おねがいぃ……」 もどかしい。 なんで人間って手が二本しかないんだ。 はぁ……しょうがない。 後ろは終わり……。 もう、金輪際さわらねぇ。 「ん……」 前の方がやっぱり気持ちいい。 男はやっぱチンコで気持ちよくなるもんだ。 でも、指じゃなくって……他なにか入れられるものとかないかな。 「あっ……だから…お尻はもう…さわらないんだってばぁ……」 そうだ、もう尻をさわらなくていいようにオレの手は二本なんだ。 ここに入るのは……。 だから……入らないって。 「ああぁん!」 尻なんか触らなくっても二本の手でこんなに気持ちいい。 「んくっっ…イっちゃうっっ!あっ乳首でっイっちゃう!」 ギリギリまでたかぶった自分のモノから手を離して両方の手で乳首をこね回す。 「もうちょっっと…!あっっ!来るっ!来るっっ!」 勝手に腰がグン!と暴れた。 「あひっ………ぅ…ふぅ…でちゃ………んっ!んくっ!」 ………。 放出感に恍惚となる。 脱力してシーツに突っ伏しているあいだも、快感を収めるように緩やかに乳首をいじったままだ。 息を整え、事後処理をして録音を聴く。 『あうう…ん。ああん…おねがいぃ……』 って声がスゲェ可愛い。 『あっ…だから…お尻はもう…触らないんだってばぁ……』 もう、無駄なあがきはやめてブチこまれちゃえよ……なんて頭の片側で思いつつ、いや、コレ、オレだし…。と、複雑だ。 でも、次回からはもう絶対尻はさわらない。 やったとしても入口をツンツン、クニクニする程度だ。 今回はとうとう指先を入れてしまったけど、全然気持ち良くならなかったからな。 気持ちよくなりそうな気配があったりするのもまたマズい。 ゲームのセリフをあまり思い浮かべすぎるのもいけない。 『お尻はダメだって!待って…オーリオ!ああん!』 なんて言った勢いで指の根元までずっぷり入れてしまいそうだ。 だからもう尻は厳禁だ! こんな風に、オレが日々『努力』しているからこそ、みんな出演の依頼をしてくれるんだと思う。 ……多分な!

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