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14-はっ…くぅう[今何アウト目だ?]

たとえビデオ通話だろうが、桐田に顔をみられながら可愛い声を出すなんて、引け目を感じてしまって無理だ。 そのことを自覚すると、オレはなんだか吹っ切れてしまった。 通話してるのはSAYA。有家川(うけがわ)聖夜(まさや)じゃない。 リアルにはいない、架空のキャラみたいなもんだ。そう割り切った。 すると、まるで恋人同士みたいな桐田との甘いやり取りも楽しめるようになった。 ただ『すぐ「好き好き」と言うのはウソ臭いからヤメろ』とは言った。 そしたら、あんまり言わなくなった。 その代わりたまに言われたときの破壊力が増した。 ……はぁ……。 とはいえ、たまに胸がぎゅとするのもおフザケだと思って受け止められる。 けど、困った。 桐田がまたオレの『アノ声』が欲しいとか言いだした。 オレは前に送ってもらった桐田の『声』を聴きながらヤるようになってからは、もう自分の喘ぎを録音していなかった。 なのに、前回はキャラつけてたから、今度はキャラ付け無しで……って。 「やーだ。はずかしいって言ってるだろ」 「……じゃ、今回のゲームキャラで……」 「それもっと恥ずかしいよ!」 踏まれて喜ぶドMキャラじゃねぇか。 「どっちがいい?素とキャラと」 「え……。どっちもヤダぁ……」 「うっ…かわっっ……。いやいや。じゃ、まずキャラでやって、そのあと素で録って」 「ゔー。なんでオレばっかり。やだ」 「俺もまた録ったら、録ってくれる?」 「………っ」 正直に言ってしまえば、オレも桐田の新しい音声が聴けるなら聴きてぇ……。 迷った。 迷いが漏れ伝ったんだろう。 結局オレは桐田に押し切られてしまった。 ただ、オレはガチのドMじゃないのでキャラ録りの方は演技半分で構わないってことになった。 ……あれ? オレ二本に対しあいつは一本ってズルくないか? 桐田からゲームの攻めキャラの名前は呼ばないでくれというオーダーがあった。 確かに、自分が出演してるゲームでも無いし、攻めの主人公になんの思い入れもないだろう。 「ん…ぁ…んく……」 微エロゲームだから、声録りでエロいあえぎはなかったし、あまり慣れないMキャラだから恥ずかしい。 自然と堪えるような小さな声になる。 「あうう……もう……どしたらいいんだろ?」 文字どおり手探りだ。 とにかく全部強め、手荒くいじってみる。 「ん…んっく……」 まだ…大丈夫……。 乳首を強く引きねじっった。 「……っ」 息が詰まって逆に声が出ない。 ああ……もう、なんでオレ一人でこんなことしてんだろ。 一人で……一人……じゃなくって。 桐田……。 ひぁ…んん……あ桐田っ……。 眼鏡の奥の目をちょっと細めて、からかうような意地悪な視線を送ってくる。 『痛い?でも、痛いの好きなんだろ?』 Sキャラな桐田の声を想像しながら自分のモノをぎゅっと強めに握る。 「あ…やだ……強いっ。ヤダっ……んんっっ!!」 『ウソばっかり。好きなくせに。それとも、俺にさわられるからこんなになっちゃったのか?』 「あうっっ……んく…ちが…やっ、優しくして……」 『どんなに酷くされたって、アンアン喘ぎ声あげるくせに』 「ふぅんっ!だってっ……だってっ……んぁっっあっっあっ!」 『ほら、やっぱり。気持ちよさそうな声あげて。痛くされて喜ぶなんて、変態だな』 実際はちょっと強めにさわってはいるけど、痛いほどではない。 けど、頭の中の桐田の声に翻弄され、どんどんたかぶっていく。 「ん…ぁあっっ……あん!」 『“痛くされて喜ぶ変態でゴメンナさい”は?』 そう、きっと桐田なら踏んだりするんじゃなく、言葉でイジメる……。 「……あ…無理……オレそんなっ!」 『ほら……言えよ。もっとして欲しいんだろ?だったら言え』 「ふえぇん……やぁっ……。んぁあっ!あっ…ゴメンなさいっ……オレ…ああんんん!」 『まだだ……ほら、ちゃんと言って』 冷たい顔してても…きっと桐田の目は楽しそうにオレを眺めて…悦んで……。 「あっああっっ。ゴメンなさいっ……オレへんたいでっゴメンなさい!いた…痛いの……ああん!いいっっ!」 『淫乱……。なぁ…これだけで足りるのか?』 ごく……。 つばを飲み込んだ。 これ……桐田に聴かれるのにそんな…でも編集するから……。 迷ったのは一瞬だった。 自分のヌメリを絡めとって、後ろに指を差し込む。 「んっっ…はぁっはぁん!」 『これが欲しかったんだろ?』 「うんっ!うん!んん……!」 いつもはただ差し込んでいるだけの指を、勢いで激しく動かしてしまう。 「ふぅっ……はっっはっ……んくっ」 中を探るように指を曲げてこすると息が詰まる。 頭が痺れる。 「はっ…くぅ………きりたぁ……」 考えがまとまらない。 同時に前も強く握る。 「っ……はぁっはぁっっ……!」 脳内にキモチ良くなる液体が溢れてるみたいだ。 「くぁっっん!ん!んんっ!」 強くさわりすぎて気持ちいいのかどうかも分からなくなってきた。 ただ、心が悦んでる……。そして、それに身体が反応する。 後ろ……こんな激しく。 ふとした瞬間に襲ってくる未知の感覚に、指が抜けそうになるくらい腰が弾んでしまう。 「ぁはあっっ!あん!きりたっあっあっ!イイっっ。あっやだっっ」 もう、イキそうだ。 ああん!後ろ、ちょっとイイ。もっと…もっとしてたいのに。 「ふぁぁんっ!もうイっちゃうっ!あん!イクっあっ!きりひゃっっああ!もう!」 イキそうになるのをぐっと堪える。 けど、自分の意志とは関係なく手が動いてしまった。 「ひぃ……ん。っっっく。っっ。っく」 泣くような変な声を出してオレは精を吐き出した。 グッタリと脱力する。 …………疲れた。 けど、編集……。 ……。 う……。 は…はずっ……。 ど……どうしよう……。 オレ、こんな何回も桐田の名前呼んで……。 ウソだろ。 これ、どう編集すりゃいいんだ。 けっこう息をつめて無言のとこも多い。 それを外すと…全部恥ずかしい……。 やっぱ無理だったってメッセージ送ろうか。 でも、約束したしな……。 送らなきゃ……桐田のも聴かせてもらえない……。 散々迷った。 迷って編集は次の日に先送りにした。 そしたらなんか……。 逆に、ちょっと聴いて欲しいような気持ちになってしまっていた。 そんなオレは……かなりヤバいかもしれない。 いや、ヤバい。 桐田がどんな反応を示してくれるか楽しみでしょうがない。 完全アウトだ。

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