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15-んぁっはぁはぁ[いっしょがイイっ]
結局、あのイタいドMなりきりが桐田に大好評で、それから一度と言わずあんなエロい録音を聴かせてしまった……。
それもこれも桐田が誉め上手すぎるのが悪い。
すげぇ艶っぽい声であそこが良かったとか、あれがドキドキしたとか。
そんな……細かく誉められると気分が良くなっちゃうだろ。
なんか……もっと聴いて欲しいとか……思っちまうだろ。
だから……歯止めが利かなくなってる。
そんでとうとう電話越しに直接……。
あー畜生。何やってんだオレ。
何やらせてんだ桐田っっ!!
しかも昨晩は……。
「ん……あはぁっはぁっ。もう……。オレばっかヤダっ。桐田も……シテ」
一人でじゃなく、一緒にして欲しいとねだってしまった。
「一緒にしたいの?」
「ん!いっしょがいいっ」
本当は最初のときも一緒にして欲しかった。けど、言い出せなかった。
「俺にされてるみたいに……感じたい?」
「あ…そんな……」
桐田に……されてるみたいに?
たしかにいつも桐田を想像しながらヤッてるけど、直接言われるとゾクリとするほど恥ずかしい。
「サヤちゃんはくびれを人差し指で覆うようにこすりながら、親指で先っぽの方くりくり撫でるのが好きなんだよね?俺も同じようにしてみるから一緒にしようか」
「ふぁん。恥ずかしいよ。あんまりハッキリ言わないで。あ……んん…ん」
「ほら、サヤちゃんのを俺がさわってるって思って。で、サヤちゃんが握ってるのは俺のだよ」
今まで何度も桐田にふれられるところをイメージしてたけど、直接こんな風に言われるとずっと生々しくて、電話越しの呼吸にすら感じ、肌が粟立ち過敏になっていく。
「あっ……ああっん。さわってる?きりたっオレの…ああん!もっと…してっ」
「はぁ…すごい気持ちいい。サヤちゃんもスゴイよさそうだな。んっ……」
はぁ……桐田の声も…すごく気持ちよさそうだ。
色っぽい。
ドキドキする。
オレの手の中のコレは……桐田の…ああっこんなはち切れんばかりになってる!
「きもちいいっ…!ああっ桐田のが……オレの手の中でビクビクしてるっああん!あっあっ……イイっ!」
頭の中が桐田でいっぱいだ。
「イイよぉ……あふぅ。でもっっここばっかじゃなくって……んんっっ」
「どこさわって欲しいんだ?」
さわりたいけど……。でも……。
「……」
「ほーら。言えよ」
「やっ……」
「サヤちゃんの気持ちいいとこ。……俺に教えて」
優しく言われて、自然と手がソコに伸びた。
「んん…ふぁ…はずかし……やだ」
「あ、勝手にさわってる?一人で気持ち良くなるの嫌だったんじゃないのか?」
ちょっと咎められて……叱られるのも、なんだかこの状況では甘い。
「だって……ん……らって……」
桐田に強い態度でこられたことに興奮してしまって、甘えるような気分でヌポヌポと浅く中をなでてしまってた。
「サヤちゃんが今気持ち良くなってるのは体の上の方?下の方?」
「した……だけ」
「……!はぁ……そっか。じゃ、そこさわってるのも俺だって想像してみて」
桐田に…そう思っただけで、ソコが強く意識された。
「きりたの…きりたのがっ!あんんん…。あ……」
「サヤちゃん。ソコきもちいい?」
そう言われて、ついつい中を深く浅くクチュクチュといじってしまう。
オレはちょっと指でかき回したくらいじゃ快感なんで拾えないはずなのに、この状況に興奮してすごく気持ちいいような気がしてくる。
「ん……きりたの指…イイ。きもちいい。はぁっはぁっ」
「指?指じゃないよ」
「え……」
桐田の言葉に息を呑む。
「指じゃないよ。分かるだろ?ほら、想像して」
ゆ……指じゃないなら。つまり……。
汗ばんでいた身体がさらにカッと熱くなる。
ただ想像してって言われただけなのに更なる興奮に視界が白んで潤んできた。
「ばっっっばかっ。ヤダ。きりたのばかっっっ。そんな……そうぞうとか。だめっっ。しない」
「ふふ…。何が入ってるとこ想像した?」
「あん…だから…きりたの……」
「俺の?」
そんな……言えねぇ。
自分で想像させたくせに。
オレが勝手に挿入れられることを期待してるみたいじゃねぇか。
ひどい。オレばっかはずかしいって。
「………ばか」
「サヤ…かわい……」
もう。……その言い方……ずるいよ。
………。
ああもう。
なんだ。なんなんだ。
どうなっちまってるんだオレ。
桐田との通話はだいたい週三〜四回。 もちろん毎回エロい事してるわけじゃない。
本当は毎日でも話したい。でも我慢してる。
ハマりすぎるのが怖い。……って思ってるはずなのに、なんでこんなコトになっちまってるのかな。
しかも桐田は週末に二人で会いたいとか……あれからずっと言ってるし。
最初はなんだかんだ理由をつけて断ってたけど、最近はもう
「だって……恥ずかしい」
って……。
なんだそれって感じの断り文句。
それでも桐田は聞き分けてくれて、
「サヤちゃんが二人で会ってもいいって言ってくれるの、楽しみにしてる」
とか、イケメンボイスで言ってきやがって。
そしてオレは気がついた。
桐田が、オレの断りの言葉をどう解釈しているのか。
『二人で会うのが恥ずかしい』=『会う時には恥ずかしいことをしていい』
ああああ……。
たしかに男ってそんなもんだ。
オレだって言われた側だったらそう思うだろう。
けど、そんなこと……。
リアルには無理だ。
この流れでいけばオレは受けで、桐田が攻め。
オレはまあ、通話しながらなんじゃかんじゃするときも当然受でイメージしてるから相手が男だってことは強く意識してる。
けど、桐田は?
あいつにとっちゃ電話越しでエロい事言ってる相手は『かわいいサヤちゃん』だ。
けど、リアルではこんないかついオレ。
可愛さとは縁遠い。
考えても見ろ。
桐田がこの部屋に来るとする。
きっとオレはドキドキだ。
舞い上がってるに違いない。
そして桐田が言う。
「サヤちゃん、ずっとこうして二人で会いたかった」
オレが答える。
「ん!二人っきりになれてうれしいっっ!」
しかしそんな可愛い声を出してるのはヤンキーまがいの男だ。
絶対引く。
ドン引きだ。
オレには、わー…なんかイメージと違う……。と、頬を引きつらせる桐田の顔を眺める勇気があるのか。
そして、茶でも飲んでゲームの話とかで誤摩化して気まずそうに帰っていく桐田の背中。
んなもん見たら……。
う……想像だけで下まぶたが熱くなってきた。
ちょっと行き過ぎてる桐田との関係だけど、オレは……崩したくない。
二人で会いたいっていう桐田を拒み続けて、嫌われてしまったら……そんな事を不安に思って、その代わりとばかりに恥ずかしい要求にもついつい応えてしまってる。
そうするとだんだん……。
いや、だんだんじゃない。
ゲームのセリフの練習をした時に、二人で会いたいって言い出したのはオレだ。
多分、桐田よりオレの方がずっと二人きりで会いたいって思ってて、直接ふれ合いたくって、さわって欲しくて。
目の前で『かわいいよ』って、あの声で言って欲しいって思ってる。
桐田とのソウイウコトは、あんまりリアルに考えないようにしてたのに、昨日。
『ふふ……。何が入ってるとこ想像した?』
そう言われて、思わず挿入れる指を増やしてしまった。
指一本じゃ、違うって思った。
2本だといつもよりギチギチで、なかなか入らなくって……。
でも、そのキツさが桐田のモノをより想像させて。
オレは、桐田に抱かれることを期待してるんだ……って実感してしまった。
もう、やめたい。
いや、たとえエロい事を言わされても通話するのは、出来れば続けたい。
桐田との関係を完全に断つなんて、今のオレには無理だ。
けど、オレをこんなに本気で追い込むのは……もう、やめて欲しい。
そう、桐田とのこの甘い関係を続けたいから……。
これ以上、オレの心を追いつめ、縛り付けてしまわないで欲しい。
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