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第26話※
驚いて千歳の方へと向いた優弥の唇に、千歳のそれが重なってきた。
「んっ……」
優しく唇を舐められて、優弥が少しだけ口を開くと、千歳はそっと舌を差し込んできた。
千歳の舌に捉えられ、優弥もそれに応えようと舌を絡ませていると、突然、甘い香りとともに胸にヌルッとしたものを感じた。
千歳の舌は、相変わらず自分のと絡まっているからそれが千歳の舌ではないことがわかる。
(……な、何?)
正体のわからない何かに優弥が不安がっていると、千歳の舌がさらに深まり、同時に膨らみのない胸を千歳の手で揉まれる。
「あっ、んぅ!」
その感覚に優弥は顔を仰け反らせて喘いでしまい、その拍子に千歳とのキスは離れてしまう。
解放された頭を下げ、優弥が自分の胸へと視線を下ろすと、そこには何か液体らしきものが塗られていた。
「んっ、なに……? 高瀬」
相変わらず胸を弄っている千歳にそう聞くと、千歳は優弥の胸の突起を摘みながら答える。
「ん~……マッサージオイルだよ。これを塗ってマッサージすると、気持ち良くなれるから」
「やぁ、あっ……」
言いながら、千歳が何度も左右の乳首を強く摘むが、オイルのせいで滑るのか、まったく痛みはない。
それどころか、甘く緩い刺激がもどかしくて、もっと激しくして欲しくなる。
「はぁ、あ……んあ」
「……やっぱり痕、消えてるよな」
「え……?」
ぼんやりとした意識の中、千歳の呟きが聞こえ優弥は聞き返す。
すると、千歳は優弥にグッと顔を近づけ囁く。
「この前、我慢出来なくて優弥のここに痕残しちゃったんだよね」
そう言って千歳の指先がいやらしく優弥の鎖骨辺りへと移動する。
(やっぱり……高瀬がつけたんだ)
千歳の指の動きに優弥がドキドキしていると、千歳は甘い声で言った。
「また、残していい? 優弥が俺のものだって証拠」
その言葉に優弥は胸をときめかせてしまい、答えることが出来なかった。
(俺が……高瀬のものだっていう証拠?)
黙ったままの優弥を見つめると、千歳はクスッと笑って唇を優弥の鎖骨へと寄せる。
「答えないから、勝手につけちゃうよ」
「あっ!」
千歳にそこを強く吸われて、優弥は甘い声をあげて身体を震わせた。
やっぱり千歳に触られると、優弥の身体は素直に反応する。
それなのに、千歳はそんな優弥をはぐらかすように、優弥の身体から離れてしまった。
「はい……後ろ向いて。背中、マッサージしてあげる」
「あ……」
優弥は身体の向きを変えられて、背中にもそのオイルを垂らされる。
そして、その上を千歳の手が優しく滑っていく。
肩、背中、腰……と千歳の手は本当に解すためのマッサージをしてくれて、その心地よさとバニラの甘い香りに優弥は癒されていた。
「優弥……気持ちいい?」
「……うん」
優弥が素直に答えると、千歳は急に意地の悪い笑みを浮かべる。
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