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第28話※
「こんなに可愛い優弥を、本当ならすぐにでもベッドに行って抱きたいんだけど……」
(え……?)
千歳の言葉に驚いて、優弥は顔をあげた。
(てっきり、蔑まされると思っていたのに……)
泣きそうになっていた優弥の目元に、千歳はそっとキスをくれた。
「でも、せっかくだからこのオイルで優弥の後ろ慣らしてからベッドに行こう?」
『お風呂場ならオイルをたっぷり使えるしね』
そう言って千歳は自分の右手へとオイルを垂らすと、その指をそっと優弥の後ろへと移動させる。
「あんっ!」
さっきまで優弥の身体に塗られていたオイルが垂れていたのか、その入り口は濡れていて、同じく濡れている千歳の指を簡単にそこは飲み込んでいく。
「オイルのおかげかな? ここ、いつもより柔らかい」
「やっ、そんなこと……言わないで!」
千歳の言葉にすら感じて、中の指をキュッと締めてしまうのが恥ずかしい。
それでも、千歳は何も言わずに中にオイルを塗り込めるように指を動かす。
「あっ、ああ……はっ」
指の本数を増やされ、中で回されるたびに、優弥の身体がビクビクと跳ねる。
無意識に、千歳の指を締め付けてしまうが、オイルのせいで千歳の指は中を自由に動いていくのが憎らしい。
弱い部分を責めるわけではなく、全体的に与えられる緩い刺激にまたすぐに優弥の身体は煽られていく。
「んっ……あぁ……」
千歳は慣らすだけと言ったのに、優弥の身体はまたもや解放をねだり始めている。
(なんか……いつもと違う。感じすぎて……恐い)
優弥は恥ずかしさも忘れて、千歳にギュッと抱きついた。
そのせいで身体が密着し、優弥と千歳自身が触れ合うが、それすら気にしている余裕は優弥にない。
「どうしたの?」
千歳は空いている方の左手で優弥の後頭部を優しく撫でてくれた。
優弥はそんな千歳の肩口に顔を埋めたまま答える。
「自分の身体じゃないみたいで……恐い」
「媚薬効果のせいかな」
「え……?」
千歳が何かをボソッと呟いた。
よく聞き取れなかった優弥が聞き返すと、千歳は笑顔で言う。
「大丈夫だよ。どんなに感じて乱れても、優弥は優弥だから」
なんだか誤魔化された気がする。
それなのに、そんな千歳の言葉に胸を高鳴らせてしまう自分が優弥はなんだか悔しく感じる。
「気持ちいいなら素直に感じて。何度でもイカせてあげるから」
「あっ!」
いきなり千歳がグッと優弥の身体を抱き寄せた。
すき間がないくらいに抱き締められ、熱い千歳自身が優弥のに合わさってくる。
「はぁ、あっ……」
中の指を動かされ腰が揺れるたびに、優弥自身が千歳のに擦られて甘い刺激がそこから広がっていく。
「やぁ、もう……またっ!」
優弥の二度目の絶頂が、もう目の前まできていた。
「いいよ、一緒にイこう、優弥」
そう言うと、千歳は自分も快感を得るための動きに変える。
「ひゃ……あっ、んんっ、だめ、高瀬ぇ!」
後ろは指で、前は千歳自身に擦られて優弥は意識とともに欲望を解放した。
そして、千歳自身もイッたのを感じながら、優弥はぼんやりと考えていた……。
シャワー後の服の心配……
することなかったな
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