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花の散り方。四

書類は何十枚もあって難しい言葉を綴ってはいたが、要は財産放棄してるので一切関与しないよというものだった。 血がつながっていると、縁を切りたくても市役所の方から確認が色々あって煩わしいらしいので、絶縁は無理でもほぼ絶縁に持っていくためのものだった。 そして婚姻終了。旦那様が亡くなった時点で本当は終了している。手続きは死亡届が出ている時点で終わっている。 が、婚族関係は、婚族関係終了届を出さないといけないらしい。 これを出したからといって、私が相続している旦那様の遺産には何も影響はないらしい。 子どももいない私には、婚族関係を続ける利点なんて何もない、というわけだ。 「……なにか頭が痛くなりますね。難しい話ばかり」 「いいじゃん。要は縁を切るぜ、縁を切るぜ! 縁を切るぜえええ! って判を押していけばいいんだろう」 「これは雲仙寺に許可はいらないんですがね、貴方が旦那様の親戚の扶養義務がなくなり、貴方が亡くなったとき、雲仙寺側が貴方の財産に手を出せなくなるのです。あと旦那様の戸籍から出るわけではないので、その手続きをしてもいいのですが、名字はどうするかってなるので保留で」 「なるほどなるほど」 全然わからない、とは内緒だ。 面倒くさい書類だとは分かった。 けど、私に利点ばかりで悪い話ではない。 逆に怪しすぎるぐらい私に都合のいい展開だ。

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