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そうだ。家出しよう。
Side:楓
手続きを済ませ、それからしばらくして晤郎が庭にひまわりを植えた。
他の花は桜が散るのとほぼ同じくして全て散り、音もなく消えて行った。
紫呉は仕事が忙しいと朝から夜遅くまで部屋にこもっていて、食事だけは一緒にしたいとパンダのように真黒な隈をつけた顔でご飯を食べている。
二人は私に何も言わないけれど、二人が何か行動していたのは分かる。
吐かせてやろうと思うのに、紫呉が多忙すぎてあれから全く触れていない。
釣った魚に餌をあげないというのかな。
一度身体を繋げたら満足なのだろうか。
植えたひまわりに水をやっている晤郎を見ながら、ついそんな恨み言が頭を過った。
「晤郎さん、紫呉さんがもう一週間も触ってこないのですが」
「俺に言われても」
「やはり私の身体では、女性と違うので満足できなかったってことでしょうか」
「本人に聞いてみなさい。仕事なんて邪魔して、さっさと上に乗って」
ゴム手袋を装着すると、次は雑草を抜きだした。じょうろで土を柔らかくしてから次々に草を抜いていく。
それを見ながら、首を傾げた。
私が上に乗っても、紫呉がしたくないなら迷惑だろうし、私の身体は男性なので慣らすのに時間がかかる。乗っかってすぐ腰を振るわけにもいかないのだ。
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