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そうだ。家出しよう。四

Side:紫呉 「うわあ、仕事楽しい。めっちゃ楽しい。楽しくて楓に会いたい。辛い」 「独り言がでけえなあ」 遠慮なく入ってきた絢斗が、俺の仕事部屋に入るや否や、何かを探し始めた。 勝手に押し入れをあけて、俺が依然楓に渡したお土産の段ボールを漁りだす。 「お前、なに」 「問題。男の真ん中でブラブラしてるものといえば?」 「は? ちんこ」 「ぶっぶー。ヒントはこの俺のイタリア製特注スーツ」 なんだよ。疲れてる今、変な質問は止めてくれよ。 ちんこだよ。楓に会えないならブラブラしてふにゃふにゃなんだよ。 「あった。これか。うわ、サイズぴったりそう」 「だから、なんだよ」 「お前、その仕事どれぐらいかかるの?」 「五年?」 キーボードを叩きながら、辛いけど楽しくて笑いながら答える。 「俺はさ、追い出されたけど正当な本家の御令嬢の娘で、雲仙寺家の跡取り候補の分家の何某くんでは純潔じゃないって不満があってさ。五年かけて半分乗っ取ろうかなって思ってる」 「へえ」 「俺よりのやつらと合同開発して、そのあと俺の会社に吸収してやる。雲仙寺家の攻撃力が半分になれば、恨みしか買ってない成金家だよ。周りからタコ殴り。やばい、楽しい」 「面白そうだから、タコ殴りの方に参戦する。あと、問題の答えを考えとけよ」

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