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そうだ。家出しよう。七

楓の部屋に、悪いとは思いつつ入る。 そしてゴミ箱を覗くと、私服の値札が捨てられている。 箪笥の中には、脱いだであろう浴衣も隠されている。 そしてテーブルの上には、一枚の紙きれが置かれていた。 『私と仕事、どちらが大切ですか?とうっとおしい質問をして困らせようと思いましたが、面白くないのでやめます』 えー。聞いてくれたら速攻で、楓って抱き着くのに。 『どうせ、私っていうでしょうからね。』 図星だ。さずが楓だ。俺のことをよくわかっている。 『なので、やり捨てます。あなた方が知らない知り合いの家に身を潜めます』 「げ、大変だ。楓が家出した!」 『たたたバたたたたたたたイたたクたたたたたのたたたた鍵たたたたは、たたたたたさくらたたのたたきたたのたた下たた』 「ぜったいこれ、『た抜き』だ。『た』が多すぎて不自然すぎるぐらいわかりやすい」 しかも後半、飽きたのか『た』の文字数が少ない。 分かりやすぎる。たぬきのイラストすらなしのノーヒントだがヒントはいらねえ。 「バイクの場所は分かりましたが、どこに行ったか分かるのか、やり捨てされた紫呉」 「紫呉君、一億ダメージ。えっと、俺たちが知らない相手で、まあ一応絢斗がボディガードついていってるぐらいの安全圏だろ。愚弟は考えられないけど、母親?」

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