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そうだ。家出しよう。十九
ベッドの下に服を脱がして捨てると、両手で俺の下着を下ろされた。
急いでベットの隅のコンドームを取ろうと、楓の上で動いたら、俺の先走りが楓のお腹に糸を垂らしながら落ちていく。
「……紫呉さん、垂れてます」
「だって楓がエロ可愛いし」
「赤ちゃんできちゃいますよ」
「大歓迎!」
そういうと、ゴムを取ろうとしていた手を掴まれた。
「じゃあ、このまま来てください」
「……え」
意味が分かると、変な声が出そうになって唾を飲み込んだ。
濡れて気持ち悪くなったであろう下着を脱ぎ、硬くなった俺のペニスを自分のそこへ押し付けてきた。
触れた部分が、ひくひくと俺を受け入れようと待っているのが感じられて、愛しくなった。
「責任とって結婚する」
「はい。結婚してください」
クスクス笑いつつも、そこに先走りを塗り濡らしてほぐしていくうちに、甘い吐息に変わっていった。
「ひゃ、……あつ、い、ですっ」
「うん」
「なんか、ふふ。早贄の蛙みたいな恰好じゃないですか?」
息を吐き苦しそうなはずなのに、楓はそんな言葉を口に出すぐらいの余裕はあったらしい。
熱い中に、受け入れてもらえる感じが好きだ。
動くたびに、離さないように締め付けてくるのも好きだ。
一ミリの壁もなく、楓の中を感じながら幸せで涙が流れる。
「紫呉さん……好きですよ」
まるで誰かを愛するのを、許してもらえているような、神のように思える。
受け入れてくれて、受け止めてくれて、好きだと言って愛情を返してくれる。
どんな場所でも、たとえラブホでも、彼といると幸せになれる。
「俺も愛してるよ。楓」
言葉では足りないぐらい君が欲しい。
だから体を繋げて、伝える。君が世界で一番愛しい。
愛してると、何度でも身体でも言葉でも伝えるから、一緒に幸せになろう。
絡み合う指がシーツに沈んでいく夜。
俺と楓はゆっくり幸せの道を歩んでいく。
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