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 二人の仲を私が邪魔している。きっと私が生まれた瞬間に、二人を。 誰にも望まれていない存在に、誰が伸ばした手を掴み返してくれるだろうか。 『楓様っ』  気づいた晤郎が走ってくるのを、私は揺らぐ視線の中見つけた。 誰でもいいから愛されたい。悲しい、苦しい。  晤郎が羨ましいよ。旦那様に触れてもきっと、腕を振り払われたりしない。 『怖い夢を見たのに、傍に誰も居なかった』 『すいません、すいません』 『覚めてくれないかな、……この怖い夢』 普通に生きることも敵わず、一生を添い遂げる相手には触れられず。 傍に居てくれる晤郎は、私の持っていないモノを全て持っている。 『私は、いつこの夢を覚ますことを許されるのかな』 晤郎の腕にしがみつきながら、覚めない現実に希望が見いだせず延々と泣き崩れた。 離れから視線を感じたけど振り返れなかった。 あの人にはもう期待してはいけないのだから。

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