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花開く/花散る 五

が、浴衣の紫呉と毎年リレーのアンカーだった俺とでは運電の差。 そして晤郎は朝ごはんの準備中。加えて俺は裸。 逃げられるわけはない。 簡単に肩に担いで、脱衣所に連行した。 髪を引っ張られたり噛まれたけど、蚊に刺された程度で全然痛くもない。 「で、本当の目的は何だよ」 「……だから、朝のお風呂の恨みに、サイズを確認しに来ただけです」 視線を大きく逸らして顔を背けられたら、嘘だとしか思えない。 信じろと言われた方が無理だ。 「どうしたの? 言わないと、ひん剥いてアヒルと一緒にお風呂に投げ入れるよ」 「……」 それは本気で嫌なのか、耳まで真っ赤にしながら渋々顔を見上げてきた。 睨んできても、全然怖くない。逆に可愛いぐらいだ。 「その……昨日……」 「うん」 「は、はしたなかったので、忘れてください!」 「却下」 ぎゅっと目を閉じて叫んだ楓は、目を丸くして俺を見上げてきた。 「……え?」 「却下。なんでキスしたの忘れなきゃいけねえの。好きだからしたの。忘れるかよ」 「でも……私は好きでもなかったのに、流されたというか、意地悪と言うか、はしたなくて、不誠実で……」 真っ赤になって今にも泣きだしそうな楓は可愛い。 キスぐらいではしたないとか、どんだけ過保護に育てられたんだよ。 晤郎に飛び蹴りしてやりたい。 「楓、かえで、あのさ、逆効果だから。俺は死んでも忘れないし、見てよ」 ちょんちょんと、楓に視線を下に向けるように促す。 ブラブラとしていた俺の股間の、規格サイズ外のモノが。 まあようは、ちんこが。 楓の可愛い挙動不審な様子に、頭を持ち上げつつあった。 「!?」 「あのね、楓。――興奮したらもっと大きくなるからね」 壁に逃げた楓の耳元に、わざと煽るような低い声で囁く。 「残念ながら、楓と一緒に眠ってたガキの頃から、こうだったんだよ。胸元はだけて胸が見えてたからとか、寝息が顔にかかったとか、そんぐらいでガキの頃から興奮してた」 「……子供のころから変態だったと?」

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