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花開く/花散る 七

「楓。そんなに分からないなら、やっぱり俺と風呂に入ろう。脱がしてやる」 「わ、ま、話は終わってな、えええ、サイズが大きくなって、る」 あわてふためく楓の両手を壁に押し付け、ちょっとイケないことをしているような、イケナイ気分になっていく。 流石に俺だって一緒に風呂に入れば、マックスになってしまうし、風呂だけで満足できない。 けど、全然色恋沙汰に持って行ってくれない楓に、そろそろ温厚なおれの堪忍袋も――。 「紫呉、畳んだタオルを持っていけと言っただ――」 脱衣所の扉を開けたのは、いつもいつも良い時に邪魔をしてくる晤郎だった。 けれど、今日はその晤郎の行動に感謝するしかない。 ただ――全裸で楓を壁に押し付けている俺がただですまないのはこの瞬間、確定だった。

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