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花開く/花散る 九

「すんまへーん。ここに、姐さんを全裸で襲って、晤郎に死ぬほど殴られて、姉さんからビンタされたちんこオバケがいるってやってきたんですけどー」 白々しく絢斗が障子を開けて、ぐるぐるに縛られている俺を助けに来た。 というか、俺が昨日、寝る前に縛っておいたのになぜ解いてんだよ。 「……俺が裸を見せただけなのに殴られるのおかしくね?」 「まあでも、姐さんの裸見てたら、今頃土の中でおねんねやない?」 確かに。晤郎の拳が顎にヒットした瞬間、死ぬかと思った。 逆に楓の服を脱がしていたら、殺されていた。 が、「おばけ!」と楓に頬を叩かれたのは解せない。 絶対痛くないぐらいのサイズだって。 「すっげー憎しみを込められて結んでますなー。解けねえ」 「引き出しにカッターがあるから使って。俺、どんぐらい伸びてた?」 「そうやなあ。とっくにお昼ご飯を三人で食べたぐらいかな。しんぱいして姉さんが覗きに来たら、鼻提灯作って鼾かいてたって怒ってたのが一時間前」 「まじか」 「……もすうぐ愚弟くんが到着する」

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