109 / 169

伸ばされた手に頬擦りして。八

「なんでだよ。楓のものならなんでも愛しいじゃん」 「だめ。お腹壊します。ほら、うがいを」 「かーえーでー。まだだよ」 紫呉は嬉しそうに尻尾を振りながら私を押し倒す。 そして状況を飲み込めない私に、再びローションを垂らしていく。 「俺のちんこ、大きいから。楓のここ、よく慣らさないと挿入できない」 ローションで濡れた指が入ってくる。つぷんと音を立てて第一関節まで入ってきた指に、圧迫されて息ができない。 指だけでもかなり、きつかった。 「うーん。狭い。可愛いな」 「ひぁっ……んんっ」 ちゅくちゅくっと入口の襞をほぐす様に、ぐちゅぐちゃかき混ぜられる。 奥ではなく弧を描くように周りをぐるぐるほぐしている。 痛くはないが、音がダイレクトに聞こえてくるのは恥ずかしかった。 「楓、痛かったら言ってね。止めないけど」 「え、意味なーーっえ、ひあああっ」 指が更に奥に入ってくる。ごつごつした紫呉の手が中の襞を擦りながらゆっくり入ってくる。 そこで中で指を曲げられた。 「ゃっくるし、や、だっ」 「声が甘くなった。嫌じゃないよ。ね、指増やすね?」 「だめ、駄目ですっ」 「吸い付いてくる中は、はやくって言ってるよ」 言ってない! 首を大きく振ったのに、指が増えた。 じゅぷっちゅくっと、大きい音と共に、中をゴリゴリ擦ってくる。 恥ずかしいし、あまり綺麗とは言えない行為。 これは確かに、好きな人とではないと受け入れがたい。 大きく開いた足から見える私のだらしなく濡れた芯。 指が動くたびに腰が浮き、足がシーツを泳ぐ。 「ひゃっ」 声も、私の知らないものだった。

ともだちにシェアしよう!