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ぴろーとーく 三
しわしわになった着物を籠に入れ、情事が色濃く残った背中が曝け出される。
白くて細い腰に、キスマークが散りばめられている。
楓の嫌いな桜の花びらよりも美しい、舞い散る花びらのよう。
足にも痕が残ってる。
「楓ってもっと、綿菓子ぐらい優しく扱わないと痕が残ってしまうね」
「……そうですか? まあ痕が残っても見せる相手なんていないので問題ないでしょ」
「俺が晤郎に殴られる」
今回の後、タコ殴りにされるか絢斗みたいに木にくくりつけられるか、最悪、ちんこを切られてしまいそう。
「晤郎に殴られる覚悟ぐらいあると思ってました」
「もちろん! 楓を手に入れるためには指ぐらい詰める所存です」
「まあ。愛を感じること」
嬉しそうな楓の腰を支えながら風呂場へと一緒に入る。
俺が湯船にアヒルのおもちゃを数個投げ入れると、面白そうに笑う。
ご機嫌はマックスのようで安心した。
「自分で洗えます」
「俺が洗う!」
イチゴ柄のスポンジを取り出すと、涙を流し腹を抱えて笑ってくれた。
ので同意が得られたと思いことにする。
「俺さ、中学の時に楓と離れたじゃん」
「そうですね」
「中一の夏休みに戻って、楓が一緒にお風呂入りましょうって言ってくれて嬉しかったんだけど断ったの覚えてる?」
「そうでしたっけ?」
楓の項に吸い付きたい衝動を抑えながら、背中と肩を丁寧に洗っていく。
前はいやらしく洗っていいのだろうか。厭らしく洗わせていただきたいのだが、寧ろ厭らしくないほうが無理であって。
必死で晤郎の裸を想像しながらオバケがオバケにならないように、理性全開で背中を洗う。
「断って冷たくしちゃったんだけどさ、俺は中学のとき、すでに楓に欲情してたからね。ちんこが起って、一緒に入れなかったんだよ。だからまた一緒に入れるようになって嬉しい」
「貴方って人は……」
あきれた様子だったが、ふと視線を上に向けふむふむと頷きだした。
「でもよく考えたら、私は誰にも欲情したことなかったかもしれないです。旦那様にも、同級生にも、常にそばにいる晤郎にも」
「性の対象がどっちか分からなかったから?」
「それもあるんでしょうが、今みたいに胸がときめいたことが無かったのかもしれないですね」
「!」
危ない。今、天国への扉が見えた。ヘブンズゲートが開きかけてた。
楓の乳首を洗うっていう使命がなければ、俺は召されていたに違いない。
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