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俺の好きな人が不器用すぎて愛しい。二

頑張って晤郎の毛だらけの腹とかケツを想像して一夜過ごした俺は、夢の中でも戦った。 朝、裸エプロンでまな板を叩く楓が脳裏に浮かぶたびに、晤郎の尻を夢の中で描いた。 「……さん」 ――ん? 「れ、さ……」 んん? 「紫呉さん、紫呉さん」 つんつんと横腹を突かれて、薄目を開ける。 良い匂いがする。石鹸の良い香り。あと、甘くて食べちゃいたい良い匂い。 「紫呉さんってば」 「――あ……?」 「大変ですよ。起きてください。大変です」 「?」 目をごしごし擦りながら上半身を起こすと、楓が申し訳なさそうに指をもじもじさせて横を向いていた。 「あの……その、それ、です」 「?」 「その、大変苦しそうだったので手でつんつんしていたら、ですね」 「ん?」 「夢精? しちゃいました」 首まで真っ赤にした楓が申し訳なさそうに、消えそうな声で言う。 朝から何を言うかと思えば、超かわいい。 「いいっすよ。夢精ぐらい、可愛いもんです。どれどれ見せてよ」 楓の浴衣を捲ろうとして、両手で顔を覆って首を振られた。 「ちが、ちがうんです。私ではなく、君の前をつんつんしてたら、出ちゃったんです!」

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