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俺の好きな人が不器用すぎて愛しい。五

お皿に山のように乗っている楓のウインナーは、可愛いくて食べるのが偲ばれたが朝ごはんで完食してしまった。 俺の愛、やべえな。 もっもっと可愛い効果音が似合う、ちょこちょこした動きで朝ごはんを食べる楓は、心なしか嬉しそうだった。 初めて自分が作った朝ごはんが嬉しくてたまらないのだろうが、俺の手前、大人ぶってるように見えた。 「お掃除もしてあげようかな。晤郎は朝、いつも掃除してくれてましたし。それでお昼ご飯の準備とか、あとはどこかひとつづつ部屋を掃除してました」 「だーめ。楓は身体とか痛いでしょ。俺と縁側でお昼寝」 ためだよ、と釘を打つと俯く。 「そうやって過保護にされると、私は少し……本当は寂しかった」 「うそ。庭の掃除しよっか」 一瞬で俺の気持ちは裏返った。一番大事なのは、何かしたいと発言する楓の勇気。 食べた後のお皿をシンクに下げて、ふと、気づく。 お皿は洗わないと意味がないと。 いつも置いておけばお母さんの晤郎が洗ってくれていたから。 せっせと洗う楓の横で俺は皿を拭きながら、新婚みたいでちょっとときめいた。 「しまった。私、実は外箒の場所とか分からないんですよね」 「そうなの? 意外」 「庭はあまり好きじゃなくて。あ、でもあそこに紫呉さんによく似たひまわりを植える予定なんですよ。晤郎が」

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