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No.9 影絵

「 影絵?懐かしいね、昔お正月に集まるとおじいさんがお座敷の障子で 」 「 そうだっけ? 」 「 そうだよ指の長いおじいさんだから狐が大きいって、草太喜んでたじゃないか 」 「 そんなこと、よく覚えてるな 」 草太は自分の息子にマンションの和室の障子で影絵を見せながらのんびりと笑った。 子どもと争っても仕方がないのに、 離婚までは漕ぎ着けさせたのに、もう一歩子どもを忘れさせるまではどうしてもできない……

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