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そう…そうなんだ!こいつッ…失礼、会長は高校のみならず大学まで柚さんと一緒なのだ。初めて知った時はどこまで仲良いんだと叫びだくなった。
まあ、柚さんは何故かあまり嬉しそうではなかったけど…ほんとなんなんだよ…自慢かよ…くそう…
「羨ましいか?…まあ明日と言わずに?今も家に帰れば、あいつ居るんだけどな」
イライラする俺を見てニヤリと口の端を釣り上げると会長はそんな事を言ってきた。
「…はい?」
「あ?もしかして聞いてない?」
な、何言ってるんだこいつ。柚さんはバイトだって…今頃カフェにいるんじゃ…
「じゃあ言っちゃ駄目なやつだったかもな。悪い悪い。忘れてくれ」
じゃーな求職者、なんて小馬鹿にして立ち去ろうとする会長の腕を強く掴んだ。
予想していたのか、こちらを振り返る無駄に整った顔はニヤニヤと下品な笑みを携えていた。
「ここが…」
「友達でもなんでもないやつ連れてきたの初めてなんだから感謝しろよ。先輩にありがとうございますは?」
「…なんで俺が」
「やっぱ気ぃ変わったから今日はもう帰…」
「っ、連れて来てくださってありとうございます…!」
悔しいがここで帰されるわけにも行かずお礼を言うと、会長は満足気に俺を見下ろして玄関の扉を開ける。
会長の家なんて微塵も興味ないから描写する時間さえも勿体無いんだけど、金持ちそうな一軒家。三階建。色は白。これで伝わるだろうか。金持ちで、イケメンで、生徒会長ってそりゃモテるよな。モテて当然。性格が鼻に付くようになるのだって納得である。
「柚はこの部屋にいるよ。…いいか?何が起きてても驚くなよ」
会長が案内してくれた一つの木製の扉。この先に柚さんが居るのか…。意味深な前置きをされて自分で開けるように、と場所を譲られた。
会長に出くわしてから変な胸騒ぎがして止まないが、意を決して取っ手を掴む。
ガチャと扉が開く音が、自分の早まる胸の鼓動に負けてどこか遠くの方で鳴った感覚だった。
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