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あの後俺は気を失ってしまったようで、気付くとベッドの中で布団を掛けられ一人眠っていた。寝室は電気を消してくれていたのかうす暗い。その中で当たり前のように柚さんを探すがどこにも姿が見えなかった。 足腰に力が入らないままふらふらとベッドから降りて明るいリビングへと向かうと、ガチャリと音がしてお風呂場の扉が開いた。 「…あ…」 「純希くん、起きたの?体大丈夫?」 白いTシャツにグレーの短パン姿、濡れた頭をタオルで拭きながら柚さんが出てきた。シャワーを浴びてたのか、短パンから覗く白くて華奢な足がとても色っぽい。 返事もせずボーと立ち尽くす俺の元に寄ってきて可愛い顔に覗き込まれた。 「おーい。純希くん?…無理させ過ぎたかな」 心配そうな表情にしょっぱいものが込み上げてきて、俺は目の前の華奢な体を抱き締めた。香るのはシャンプーの爽やかな花の香りだ。 「柚、さん…」 「……もしかして泣いてる?」 「うっ、グス…もう怒ってない、ですか?」 「あ〜…怒ってないよ?ごめんね、怖かった?」 「怖くは………、…」 違う言い方をしようと思ったが上手い表現が思い付かず口に出さずコクンと頷いた。 柚さんが俺の背中をポンポンと叩いてくれて、そのままソファーに誘導される。隣合わせで座ると俺の頭を撫でてくれた。 「俺もごめんね、ちゃんと家庭教師のこと言っとけば良かったよね」 「柚さんは…悪くないです…。でもあの…なんで黙ってたんですか…?」 「うーん…まあ一応相手女の子だし、会長の家に行くから純希に余計な心配させたくなかったんだ」 「俺のため…?」 「いや、まあそう捉えてくれるなら嬉しいけど…」 柚さんがポリポリと頭をかく。なんだか困ってる? 「柚さん…ごめんなさい。勝手に突っ走って」 「…俺、不安にさせてた?」 「そんなこと…!」 そんなことありません!と伝えたいのに、またもや泣きそうになって口を噤んで首を振る。柚さんの前で格好悪い姿見せたくない。 こんなことで泣くなんて、自分が思ってる以上に不安になってたのか…?自分が柚さんの力になれてないことが。 環境が変わって忙しそうな柚さんに、置いていかれたような気分になってたのか。 膝の上で拳を握り締める。柚さんはしばらくなにかを考えていたようだったが、突然立ち上がると寝室に消えて行く。すぐに出てきてくれたがその手には何かの紙袋を下げていた。 そして隣に座ると持っていた紙袋が、何故か俺の膝の上に――

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