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歯を割って、指で自分の舌をこねる。
ひとつき前、晴人の舌はどんな風に、自分の舌に絡んだのか、思い出そうと喘ぐ。キスなんてはじめてじゃない。でも必死だった。酸素が薄くなって、脳が痺れて目眩がするようなキス。
『すげえ、エロい。』
囁き、注ぎ込まれた低音が脳から聞こえる。額に感じる晴人の熱が、胸を締め付ける。鳩尾がキュウキュウなって、腹の奥底が熱い。
「んふ、ン……」
この指は、晴人の舌。肉厚で、少し硬くてなぞられただけでそこから潤ってきてしまう舌。自分の舌を拐い、扱く。舌の裏の筋に触れると下腹部が痛くなった。勃起してる。堅くなって、じんじんと痛む。
「ン、ぅ」
充分に潤した指を胸元に遣る。キスの真似事だけで硬くなった乳首を避けて乳輪をなぞる。ねちょとした感触。
―――違う。
でもそれは冷たくて、晴人の舌じゃないことを思い知ってしまう。
晴人の舌はもっと熱くて、吐息が肌にかかった。そこから移し火したようにじんじんと燃えて、火傷しそうなほどだった。
額に感じる、晴人の体温は温かい。その熱に、触れられた日の熱さを探す。
こんな。
本人が、目の前にいるのに。
ぞくぞくと尾骨が震える。くるり、くるりと乳輪をたどる。小さな突起は触れていないのに硬く張って痛いくらいだ。
「っあ、」
戯れに弾いた爪の先で、電撃が走る。腰が跳ねて血液を満たした性器が、下着とスウェットの下で反り返った。
こりこりしてるな。
観察する声が耳の奥から脳を直接なぶる。
乳首引っ掻かれると、ここも気持ちいいだろ?
「は、ン…」
滑り込ませた逆の手でアリノトワタリを押す。指が軽くめり込むように粘膜を揉むと、腹の奥底が重くなる。
―――キモチ、イイです、気持ちいぃ……。
息を殺し、声を殺して目の前の背中に応える。
ウェストから顔を出した尿道口がたらたらと蜜を溢し、晴人の布団にはしたないシミを作っていた。
いけない。
思ったって火の点いた体は治まらない。
アンダーシャツの滑らかな肌触りが額に張り付いてる。その下の堅い筋肉と骨の感触が、体温が、余計興奮させる。
「ン、く、ん……」
滑った爪で引っ掻く度、勃起した乳頭が上下に揺れる。その都度走る電撃にぐく、ぐくと棹が反り返る。
「っは、ン」
頭の芯がじんじん痺れて耳が遠くなる。額から伝わる熱。背中の寒さに合間って、際立つ。
がんじがらめに、して欲しい、とか。
自分はイジメられるのが好きなんだろうか。
「ンくぅっ!!」
噛み締めた唇を逃れて鼻から濃い色の息が漏れる。抓り上げた乳首が色を変える。赤みが増す。引っ張ると、薄い肉ごと乳首が伸ばされる。その下で反り返った性器がシーツに向けて糸を垂らしている。
ーーーもっと、
酷くして欲しい。歯形が付くくらい、噛みついて、一番ビンカンなとこも全部乱暴にイジメて。
「ン……!!ン……!!」
爪の先で尿道口の薄い粘膜を引っ掻く。ビリッビリッと刺すような痛みが息を世話しなくする。乳首を弄る手にシャツが落ちてきて煩わしい。その裾を噛むために乳首から手を離すと躰が刺激を求めて悶えた。ほんの僅かな時間、愛撫を止めるのすら我慢できない、なんて。
晴人とセックスする前の自分も、こんなに貪欲だっただろうか。自分の躰を弄りながらどこをどの力加減で刺激すれば気持ちいいか試行錯誤はした。乳首は少し強めに捩るくらいがいいとか、尿道口は弄ると張り付くような痛みがあってあんまり感じなかったとか。潮噴くまでチンコを弄るのは痛いから噴く前に諦めるのが殆どだったりとか。
でも、今は。
「んく、ん、ぃ……」
ーーー 痛いのが、気持ちいい、なんて。
引き伸ばした乳首の先端を爪で引っ掻く。尿道口にきつめに握った手で、棹を扱く。扱いて、裏筋に爪を立てる。アナルがきゅうきゅうと収縮して、息を吐き出すとそれに合わせて弛緩する。
ーーーあ、射精 そう……射精 く、射精 ちゃう………!
瞬間、乳首を弄っていた手でシャツを下ろす。引き伸ばしたシャツの裾で亀頭を包む。その瞬間、びくん、びくんと脈打った。脈打ちながらシャツの中に精液が染みた。
「ハァ……、あ、は」
たまらない恍惚が目の前でゆらゆらしてる。
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