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 一史の鼻から汁が垂れてる。口の中は唾液がたまって、時々、苦しげな息が下生えをかする。  息苦しさに頬を辿る涙がカワイソウで愛おしかった。こんな酷いことをしておいて好きだなんて笑わせる。  「ん、ぐ、ンン……」  無理矢理にされながらコツをつかんだらしい一史が鼻からうまく呼吸する。強引に頭を揺さぶられながら、舌が絡む。イラマなのか、フェラなのか判らなくなる。  「ンっ……」  尻の穴の締まる感覚。睾丸から突き上げてくる。下腹部に力がこもる。  「射精()る……!!」  「んぅっ」  藻掻く頭を押さえつける。解放感が身体を震わせる。射精の余韻に腰が揺れる。最後の一滴まで絞り出す。喉の奥にぶち当たって、逆流する。粘度の高い液体に浸かっているみたいな感覚。  「んく、ン……」  一史の、喉の隆起が上下する。きゅっと閉じた瞼が震える。震えたまま何度も溜飲する。  ぷは。  一史の息を吐く音が響いた。その音で小さな頭を解放する。  小さく咳をする音。  喉を抑えた一史の身体が曲線を描いている。上目にこちらを見た口許から、俺が吐き出した精液が溢れていた。短く浅い息が猫のようだった。  「はると、さん……」  唇が名前を呼ぶ。崩してしどけなく座した足、半ばうつ伏した姿。その股間の下で、シーツが濡れていた。先走りではない。それよりも粘りけのある、白っぽい色。  「ぅあ、」  肩を掴んで裏返す。精液に塗れた一物が再び鎌首を持ち上げ始めていた。  「見ないで、」  羞恥する自分の顔を一史は覆う。覆っておきながらその身体はひくひく戦慄き、更に興奮を明らかにする。  他人(ひと)のをしゃぶらされて射精()く、とか。  煽り上手なのか。それだけ手練れてるのか。天然なら、それは、それで。  「はると、さ……」  濡れた性器を掴み、さっきまでは俺のものを咥えていた唇に食らいつく。苦いような、イガイガした感じ。  「んぅっ!」  同時に下から上へ扱き上げた掌に一史が笑むのを見た。近くなりすぎて曖昧だったがそれは明らかに愉悦の笑みだった。  ド淫乱だな。  口付けの角度を変えながら亀頭を強く擦る。混ぜ返す口の中で悲鳴が聞こえた。聞こえないフリをして更に揉みしだく。口の中が一史の涎でびしゃびしゃになる。  多少の強引さなら快楽に互換できる躯。  他のやつなんて全部塗りつぶしてしまいたい。俺以外の感覚なんて忘れさせたい。  塗りつぶしたい。  塗りつぶしてやる。  自ら飛び込んできた一史を易々と離せるわけがない。  「ンはっ」  息苦しさに一史の掌が顔を押し退ける。唇が離れる。片手で制して再び唇を重ねる。唾液と、中に残っていた子種が混ざる。ぐちゃぐちゃに。  「んぅ、ん」  観念した腕が虚脱して布団に落ちる。腰に手を滑らせて、片手で射精した後の亀頭をもみくちゃにしながら、尻を撫でる。一史の腰が従順に浮く。浮いて、晴人との距離を詰める。胡座をかいた膝に跨がる。成人男性一人分の重さはずしりと確かな存在感を与えてくる。  「は、あっン」  腰を突き出す。  シルバーの異物を装着した臍に一史は性器を押し付けようとする。  自分から快楽を求めることに慣れた雰囲気。  控えめに言っても、腹が立つ。  俺のやり方で。抱き方で、躾直してやりたい。

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