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 「は、あ、あ、あっ」  太い指が、肌の上を滑る。  乳輪の毛穴が締まって鳥肌のような小さな山を作っている。その頭を撫でるか、撫でないかの繊細な動き。見えている。触れそうで触れないその指が。触れて欲しくて身を捩る。  「あぐっ」  くねらせた腰に角度を変えた性器が、結腸から抜けて、また抉る。ジーン……、と脳が痺れる。前立腺が棹に当たったままでじんじんと熱を放っていた。  ―――あぁ、これ、キちゃいそう。  1度意識をするとその感覚は明瞭になる。自分の前立腺がしこったまま、晴人のチンコに当たってる。開いちゃいけないとこを先端に押し広げられ、このまま射精されたら、掻き出せない深いとこに種付けされてしまう。  そっと這う指が、乳頭に触れそう。  そう考えただけで、中の肉がうにうにと蠢き、晴人の肉を包むのが判る。期待している自分が判る。  ―――俺、の、体が求めてるんだ。  メチャクチャに犯されている訳じゃない。晴人の動きは寧ろ緩慢で、受け入れている自分の体が自発的に堕ちようとしている。晴人に、堕ちようとしている。  たらたらとカウパーを溢す性器は萎えることなく反り起って震える。閉じようとした脚を晴人の手が開かせる。  「ンァッ!」  座ったままの晴人が、膝に一史を乗せたまま、ぐるりと後ろを向く。揺れて、ナカで亀頭が、グリグリと結腸を開こうとする。  「ヒィん……」  高い声。顎を支えられたとき、初めて自分の口許から涎が垂れていることに気づいた。  「目、開けてみろ。」  促されるままに、閉じた瞼を上げる。目の前に脚を開いた自分の姿があった。  「なっ、」  「そんな、締めんな」  鏡でも判るほどに一史の肉は晴人の性器を締め付けた。背後の晴人が顔を歪める。  そうは言われても、鏡の姿を認めるほど心音と同じペースでソコが収縮してしまう。  「あ、や、だめ、です。だめです。」  「何で」  だって、これじゃあ。  鏡の中、自分の目線から顔を逸らす。そらしたのに、薄暗い照明の下で見た粘膜の赤いぬらつきが目に焼き付いて離れない。  ―――全部、曝されている。  腹の奥が一層痺れる。痺れが広がる。否応なく、意識が前立腺に向く。前立腺を意識する度、内壁が勝手に震える。震えて中に挿入(ハイ)ったモノが暴れる。  「晴人、さん、晴人さん、動かないで」  目の前が白く烟る。後ろ手に晴人の頭に触れる。項に埋められた顔が、小さくささやく。  「動いてねーよ」  「ふぁっ、」  腰が。  腰が勝手に突き上がる。  「んあっ!」  指が、乳首を抓る。両方を一緒に捩るように左右に摘ままれる。前立腺に電流が走る。視界がぼやける。短い息。勝手に震える体。  「アァっ!っだ、め。だめ、だめ」  小刻みに足が震える。振り乱した髪が汗ばんでいる。心許なくて縋るものを求める。肌が触れていない場所は不安。  あぁ。だから。  「ひぐっ、イク。クるっ!」  全身が押し出される。体が反るのを押さえられない。鏡の中で俺が踊ってる。 目を覆いたくなるような痴態を曝して。  「ぁ……」  絶頂のとき、声は出なかった。  全身の穴と言う穴が広がって脳を直接ぶっ飛ばされたみたいな衝撃が永遠かと思うくらい長く続いた。体がこわばってイッてるのに、イッてるからナカの肉が蠕動して、新しい快感の種を撒く。痙攣が止まない。

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